ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ドイツが慰安婦発言をめぐって日本側を翻弄。メルケル首相の狙いは?

 

 ドイツのメルケル首相の発言をめぐって、政府と民主党の間で、「言った言わない」論争が生じている。真偽の程は定かではないが、今回のメルケル氏訪問に際して、日本政府は完全にドイツ側の動きに翻弄され続けることになった。

merukerurainiti02

 事の発端は、民主党の岡田克也代表が、メルケル氏との会談内容について「慰安婦問題をきちんと解決した方がいい」との話があったと述べたこと。
 この発言が報道され、国内ではちょっとした騒ぎになったが、菅官房長官は13日の記者会見で、独政府から、メルケル氏がそのような発言を行った事実はないとの指摘を受けたと説明した。ところが岡田氏はこれに対して、「慰安婦問題を取り上げたことは紛れもない事実」と再反論、発言内容をめぐって双方が否定するという異常事態となった。

 今回のメルケル首相の訪日には、歴史認識問題について日本側にクギを刺す意図があったのは周知の事実であり、官邸側はどこまでメルケル氏が明示的に発言するのか警戒していたといわれる。ドイツ側は、わざわざ朝日新聞社をメルケル首相の講演場所に選択するなど、かなり周到な事前パフォーマンスを行っていた。
 結局、首脳会談では目立った発言はなく、官邸側は胸をなでおろしたとの報道もある。だが、岡田氏に対する発言が本当なのだとすると、民主党代表の前では、発言内容を変えていたことになる。

 この件については、仮に発言があったとしても、ドイツ政府がそれを公式に認めることはあり得ないので、真実は未来永劫分からないだろう。だが、外交という冷酷なパワーゲームを考えると、発言の有無は大した問題ではない。

 今回のメルケル首相の訪問で、ドイツは米国と並んで戦後国際秩序について大きな発言権を持ち、日本は望むと望まざるとに関わらず、それに翻弄されるという図式が明確になった。一連のドイツの動きは、今後はドイツに対しても、米国と同様、大国として処遇することを望むというサインと解釈すれば話はスッキリする。

 これまで日本は米国のみを超大国として認識していれば、大抵の外交問題を処理することができた。だが、これからはドイツという準大国がこれに加わることになる。ドイツは欧州にあるという地理的に条件に加え、第二次大戦の敗戦国であり、米国とは立場が大きく異なっている。

 これまで米国に対しては通用してきたであろう、「日本の事情も分かって下さい」といったニュアンスはドイツには通じない可能性が高い。ドイツは米国以上に論理を重視する国であり、時には頑なまでなスタンスを示すこともある。中国との親和性が高いという点も考え合わせると、日本は従来以上に難しい外交を迫られることになるだろう。

 - 政治 , , ,

  関連記事

no image
反日デモはまるで「文化大革命」や「義和団の乱」。当局は反政府運動への転換を危惧

 中国の公安当局が事態の沈静化を図るため、反日デモを押さえ込む方針に転換し始めて …

chenguangbiao
これが本当の成金だ!中国の富豪がニューヨークの慈善活動パフォーマンスで大顰蹙

 中国人の富豪で、派手な慈善活動のパフォーマンスで知られる陳光標氏が、ニューヨー …

shukinnpeijouge
中国の外交儀礼におけるルールはシンプル。どちらが格上でどちらが格下か!

 何よりもメンツと格式。中国における外交儀礼の基本はこの2つだといわれる。中国の …

takenaka
竹中氏と三木谷氏が突如反乱?産業競争力会議が安倍政権のアキレス腱に?

 これまで官僚主導で予定調和的に進んできた政府の産業競争力会議の雰囲気が変わって …

kitachousenkakujikken
北朝鮮が3回目の核実験を強行。ただ朝鮮半島が一気に緊迫化するのかは不透明

 北朝鮮は12日午前11時57分頃、北朝鮮北部の核関連施設において3回目の核実験 …

kokuzei
高額所得者の税負担が増加。今後もこの傾向が続くのか?

 政府は、来年度の税制改正において年収1000万円を超える会社員の給与所得控除を …

jinminginkou
まさに同床異夢。人民元変動幅の拡大で中国は元安、米国は元高を狙う

 人民元の対ドル・レートの下落が続いている。きっかけは、中国人民銀行が発表した、 …

myanmer02
民主化に逆行?ミャンマーで仏教徒女性の異教徒との結婚を制限する法案が波紋を呼ぶ

 民主化と経済開放が続くミャンマーで、議会に提出が予定されているある法案をめぐっ …

abetoben
成長戦略の内容が徐々に明らかに。目新しさに欠け、市場が失望する可能性も

 政府が6月にまとめる成長戦略の内容が徐々に明らかになってきた。設備投資の促進、 …

mistral
ロシアと欧米の対立で軍艦をロシアに輸出していたフランスの立場が微妙に

 ウクライナ問題によって欧米とロシアの対立が続く中、ロシアに最新鋭の軍艦を提供し …