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中国の武器輸出が急増。中国軍の質的能力向上のサインか?

 

 スウェーデンのシンクタンク・ストックホルム国際平和研究所は2015年3月16日、世界の武器取引に関する報告書を発表した。武器輸入の多くがアジア地域の国で占められているほか、中国の武器輸出が急増している。中国の軍事的台頭によってアジア地域の武器取引が活発になっている様子がうかがえる。

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 2010年から2014年にかけて世界でもっとも多くの武器を輸入したのはインドで全体の15%を占めている。次いでサウジアラビア、中国、アラブ首長国連邦、パキスタンとなっている。中東を含むアジア地域で全体のほぼ半分を占めている状況だ。

 一方武器の輸出については、米国が31%、ロシアが27%となっており、この両国で全体の過半数を占めている。だが、前期(2005年から2009年)と比較すると中国の台頭が目立つ。中国は前期と比較すると143%も増加しており、武器輸出では3位に浮上した。
 中国の主な武器輸出先は、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマーとなっている。これらの地域は確実に中国影響下に入っていることになる。

 世界の武器取引は1980年代における米ソ冷戦の終結を境に減少の一途を辿っており、2005年にはピーク時の半分以下になった。だが、その後、武器取引は上昇に転じ、ここ10年間では1.5倍に増加した。武器取引の増加は、中国の軍拡タイミングと符合しており、中国の台頭が要因となり、各国が武器の取引を活発化させた可能性を示唆している。オバマ政権が中東から距離を置く外交を展開していることも影響しているかもしれない。
 中国の軍事費はすでに17兆円(公式の数字)に達しており、米国の3分の1の水準に達している。ロシアの軍事費は中国の半分以下しかなく、ロシアはもはや中国と互角に渡り合える状況ではない。

 中国は冷戦時代は西側にとっては仮想敵国であり、米中国交回復後も、天安門事件などがあったことから、西側から厳しい輸出規制がかけられていた。
 中国は、自国で武器を開発せざるを得なかったが、武器を継続的に自主開発できるようになるまでにはかなりの時間がかかる。ここにきて輸出が増加しているこということは、中国の武器製造能力が一定水準に達したことを意味している。これまで中国の軍隊は質的には発展途上と考えられてきたが、こうした状況は急速に変わりつつある。

 中国の軍事的台頭に対する牽制球となるのはやはりインドの動きだろう。インドは、ロシアと米国からそれぞれ武器を大量に輸入しており、大国間でバランスを取る戦略を採用している。中国とインドは、もともと敵対的な関係だが、最近は対話路線に転じる動きもある。アジア地域の安全保障は、中国とインドとの関係性に大きく依存することになりそうだ。

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