ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

2月の貿易収支は先月に引き続いて改善。輸出の米国依存がより鮮明に

 

 財務省は2015年3月18日、2月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4246億円の赤字となった。赤字は32カ月連続 だが、赤字幅は前年同月比で47.3%縮小した。58%縮小した先月に続いて大幅な収支改善となっている。

bouekitoukei 201502

 このところ貿易収支が改善しているのは、好調な米国経済を背景に、米国向け輸出が増加したことと、原油価格の下落で輸入金額が減少していることが主な要因。
 輸出額は5兆9411円で前年同月比で2.4%増加した。数量の伸び悩みは続いているが、円安がこれを打ち消した。輸入額は6兆3657億円で3.6%のマイナスとなった。原油は54.8%、石油製品は40.6%も減少しており、原油価格の下落が大きく影響した。

 輸出全体としては、数量の伸び悩みを円安でカバーする図式が続いているが、輸出先の状況は大きく変わっている。これまで日本の輸出産業は基本的に米国向けの輸出で支えられてきたが、その傾向がさらに顕著になっている。北米向けの輸出は円安の進展とともに順調に増加しており、前年同月比では14.3%のプラスとなった。数量も横ばいであり、米国向けの輸出は基本的な構造が変わっていないことが分かる。

 一方、中国向けの輸出は17.3%のマイナスと大幅に減少した。金額だけでなく数量も減少しており、現実のビジネスベースでの輸出が減少していることが分かる。
 中国政府は、経済政策を変更し、10%台の高成長から7%程度の安定成長に舵を切っている。だが不動産価格の下落などから、さらに景気が減速しているとの見方も出ており、中国向け輸出の減少はこれを反映している可能性がある。

 ただ注意する必要があるのは、日本から中国への輸出のうち、純粋な内需向けはそれほど多くないという事実である。中国向けに輸出された部品などは、中国国内で組み立てられ最終製品として米国に輸出されるケースが多い。日本から見た最終需要地は米国であり、輸出全体の構造は大きく変わっていない可能性がある。これまでと同様、堅調な米国経済の需要をどう取り込むのかが、日本の輸出産業にとっての課題と考えた方がよいだろう。

 - 経済 ,

  関連記事

sheruidemitu
経産省の主導の「上から」の再編にノー。出光創業家が昭和シェルとの合併に反旗

 石油元売り大手である出光興産の創業家は2016年6月28日、同社の株主総会にお …

borubo
仏マクロン政権がガソリン車の販売禁止を提言。ボルボなど欧州メーカーもEVシフトへ

 フランスのマクロン政権が、2040年までにガソリン車の販売を禁止するという野心 …

tansuyokin
マイナス金利以降、タンス預金がさらに増加。将来への不安を反映?

 マイナス金利の導入以降、タンス預金が増加していると言われてきたが、その傾向に拍 …

tosho05
個人投資家向けの優遇税制(日本版ISA)が前途多難な状況

 小口の個人投資家向け優遇税制である日本版ISA(少額上場株式等に係る配当所得及 …

chokinbako
家計の貯蓄率が初めてマイナスに。最終的には経常収支と国債消化余力に影響

 日本の家計貯蓄率がはじめてマイナスとなった。貯蓄率の低下は、最終的には国債の消 …

wine02
貿易戦争?中国がEUの関税措置に対する報復として、欧州産ワインを標的に

 中国商務省は6月5日、欧州産ワインが中国で不当に安く売られているという業界から …

baierumonsanto
独バイエルがお騒がせ企業モンサントを買収。遺伝子組み換えでは最強グループに

 ドイツの医薬・農薬大手バイエルは2016年9月14日、遺伝子組み換え種子の最大 …

tosho03
公的年金が海外インフラ投資への参入を検討。国内の株式はどうするの?

 日本の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用指針の …

rspphoto
税金を投入され資金潤沢なルネサスが、なぜか子会社のアップル売却を検討

 米アップルが、経営再建中のルネサスエレクトロニクスが保有する子会社の買収を打診 …

globalmoney
国際的課税逃れへの包囲網が強まる。だがグローバル企業への規制が難しい本当の理由

 国境を越えた税金逃れに対する包囲網が急速に整えられつつある。欧州連合(EU)は …