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シンガポール「建国の父」リー・クアンユー死去。独立当初は、絶望感で涙を流した?

 

 シンガポール建国の父と呼ばれるリー・クアンユー元首相が2015年月23日、同国内の病院で死去した。91歳だった。卓越した能力を持った独裁的指導者は、独立50周年の節目に亡くなった。

 leekanyunamida リー氏は2月5日に肺炎で入院し、治療を続けていた。国内では危篤状態との報道がすでに出ていたことや、長男のリー・シェンロン首相による後継体制が万全であることから、リー氏の死去はかなり冷静に受け止められている。

 同氏は、1965年のシンガポール独立以後、25年にわたって首相を務め、強力な指導力で同国を世界有数の豊かな国に成長させた。だが同国が独立した当初は、現在とはまったく立場が正反対であったことはあまり知られていない。

 終戦による旧日本軍の撤退後、シンガポールは現在のマレーシアの一部として独立を果たした。しかしマレーシア国内において、マレー系と中華系の対立が激しくなり、結局、シンガポールはマレーシアから追放されてしまった。
 シンガポールは都市国家で天然資源が一切ない。現在でも水道はすべてマレーシア側から供給されている。そのような脆弱な都市国家が、果たして主権国家として存続できるのか、当時はまったく未知数であったといわれる。今では想像もつかないが、リー氏はシンガポールの将来に絶望しており、涙ながらに独立宣言を行っている(演技という説もある)。

 同国は、形式的には民主国家となっているが、事実上の一党独裁で、建前上の野党しかいない。政府への批判は弾圧の対象となっており、言論の自由はない。体制を支持していれば、国民に対するサービスは手厚いが、無機質なコントロールと紙一重だ。
 例えば、結婚できない30代以上の男性が多いという統計が出ると、政府はすぐに民間の婚活会社に補助金を出し支援を行う。中高年の独身男性は次々と婚活会社から提案を受け、結婚できるようにサポートしてもらえるという仕組みだ。移民政策についても独特のポリシーがあり、移民は一時的に重労働を担う存在でしかないと明確に定義している。女性の場合、妊娠が発覚とするすぐに国外退去となる。

 現在の首相はリー氏の長男であるリー・シェンロン氏だが、民主国家であるにもかかわらず、事実上の世襲が行われている。こうした独裁的な体制については批判も多いが、事実上、ゼロからのスタートだったことを考えると、経済の発展のためにはやむを得なかったという側面もある。

 最近、子供の教育環境や男女平等な職場環境、低い税率などを求めて、日本人の富裕層やエリート層がシンガポール移住するケースが目立っている。彼等の多くは、日本の保守的、閉鎖的な環境に嫌気が差して渡航しているのだが、リベラルな環境を求めて、独裁国家に多くの日本人が移住するという状況は、何とも皮肉である。

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