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ハインツとクラフトが合併。バフェット氏らしく株主利益を強く意識したスキームに

 

 米食品大手のクラフト・フーズ・グループとHJハインツは2015年3月25日、2015年中に合併することについて合意したと発表した。HJハインツは、ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが、投資ファンドの3Gキャピタルと共同で丸ごと買収していた。実質的にはバフェット氏によるクラフトの買収に近い形となる。

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 クラフト・フーズ・グループは旧クラフト・フーズ社から分社独立した会社で、チーズや冷凍食品などを手がける。一方、ハインツはケチャップで有名な総合食品メーカーである。クラフトは主に米国内に展開しており、ハインツは海外の売上比率が高い。このため両者が合併すれば相乗効果が見込める。

 米国は今後、長期にわたって消費の拡大が見込めるため、こうした食品メーカーは安定成長が期待できる。バフェット氏が230億ドル(約2兆7600億円)もかけてハインツを買収した狙いはそこにあると考えられる。
 ただ、ハインツは買収によって非上場化されており、バフェット氏から見ると流動性に欠ける。クラフトと合併することで、手っ取り早く流動性を確保するとともに、世界シェアを大きく高められるというメリットがある。合併後の会社は売上高280億ドルとなり、ペプシコやネスレといった巨大メーカーの背中が見えてくることになる。

 合併は新会社を設立する形で行われる。ハインツの株主(バフェット氏など)には新会社の株式の51%が、クラフトの株主には49%の株式が割り当てられる。新会社が上場する形になるので、クラフト側の株主は引き続き上場企業の株主であり続けることが可能だ。クラフト側の株主に配慮し、バークシャー・ハザウェイと3Gキャピタルは、クラフトの株主に対して、合計100億ドルの特別配当の原資を提供する。

 クラフトの株主にしてみれば、合併でわずかにシェアを失ってしまうものの、特別配当を獲得し、より大きな企業となって上場が維持されることを考えると、メリットは大きいはずだ。株主利益を考慮した、バフェット氏らしい買収案件といえるだろう。

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