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とうとう物価上昇がストップ。そろそろ構造的な要因に関する議論が必要?

 

 総務省は2015年3月37日、2015年2月の消費者物価指数を発表した。代表的な指標である「生鮮食品を除く総合(コア指数)」は前年同月比でプラス2.0%となり、先月に引き続いて上昇幅が縮小した。消費税による物価への影響は2%なので、とうとう実質的な物価上昇はゼロとなった。アベノミクスの脱デフレ政策は、岐路を迎えている。

 量的緩和策がスタートした当初は比較的順調に物価が上昇していた。2013年4月時点における消費者物価指数は前年同月比マイナス0.4%だったが、緩和策がスタートすると上昇が始まり、消費税を増税した2014年4月にはプラス1.5% (消費税の影響除く)に達している。
 しかし、この頃をピークにして、物価上昇率はじわじわと低下し、2015年1月にはプラス0.2%となり、2月にはとうとうゼロ%になってしまった。

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 このところの物価上昇の鈍化は、大幅な原油安が要因である。だが長期的には円安の動きが落ち着いたことが大きく影響している。以前から指摘されていたことではあるが、一連のインフレ政策は、円安による輸入物価の上昇に依存する部分が大きかったのである。
 円安の進行とインフレ期待を分けて考えることはできないが、あえてこれを分離した場合、円安の要因を除くと十分なインフレ期待が醸成されていない可能性がある。日銀が資金を供給したところで、市中の資金需要が増えないと多くの人が考えれば、インフレ期待は限定期とならざるを得ない。

 もしそうであれば、諸外国と同じ金融政策を取っていながら、なぜ日本だけがインフレ期待を生じないのか、そろそろ本格的な議論が必要となってくるだろう。

 当然のことだが、経済は貨幣的な側面だけで説明できるものではない。金融政策が効果を発揮するためには、産業構造が現在の経済環境に適応している必要がある。米国の場合、産業構造の変革は市場が自律的に行っているので、金融政策の効果が発揮されやすい。
 しかし、日本の場合、事情が異なる。シャープが再び苦境に陥っていることからも分かるように、需要のない市場に対して過剰な供給設備を抱えているという状況は10年前からほとんど変わっていない。

 これは多くの国民が避けてきた、いわゆる成長戦略の議論ということになる。もっとストレートに言えば、構造改革に関する議論ということになるだろう。
 あと半年程度待てば、原油安のプラスの面が顕著になってくることから、デフレ圧力も少しは緩和されるかもしれないが、根本的な解決策ではない。痛みを伴う改革について、そろそろ正面から向き合う必要があるだろう。

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