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プライドが許さない?旧植民地からの逆投資に反発するポルトガルは愚の骨頂?

 

 経済金融危機に陥っているスペインとポルトガルが、旧植民地との新しい経済関係の構築に苦慮している。南欧ラテン国家が抱える苦悩は、現在の日本にも有益な示唆を与えてくれる。

 ポルトガルでは、近年、アフリカの旧植民地アンゴラからの逆投資が急増している。ポルトガルはスペインと同様、かつては中南米やアフリカに広大な植民地を所有していた。中でも南米ブラジルとアフリカのアンゴラはポルトガル最大の植民地であった。

 1975年にポルトガルから独立したアンゴラはアフリカ有数の産油国である。原油価格の高騰もあってこのところ2ケタ台の経済成長が続いている。豊富なオイルマネーをバックに、アンゴラの国営石油企業がポルトガル銀行株を大量に取得したほか、ドスサントス大統領の親族企業がポルトガルの新聞社、銀行、石油会社などの株を相次いで取得している。

 こういったアンゴラによるポルトガル投資に対して、ポルトガル国民の反応はかなりネガティブだ。アンゴラの企業に買収されたある果物製造業者は、国民からの反発を恐れTV局の取材を拒否している。

 同じく中南米に多数の植民地を保有していたスペインでは、近年、大手銀行が相次いで旧植民地に進出していることに対して批判の声が高まっている。
 スペインの大手銀行サンタンデールはすでに利益の半分をアルゼンチンやチリといった旧植民地で確保している。国内では住宅ローンの厳格化や住宅の差し押さえなどが相次いでいる中、旧植民地に対しては積極的な融資を行っていることが批判の対象となっているのだ。

 国際金融問題に詳しいある外資系のエコノミストは、欧州においてラテン諸国ばかりが経済危機を引き起こす背景のひとつには、こういった旧植民地に対する古い意識があるという。

 英国もスペインやポルトガル以上に広大な植民地を持った国であったが、同国の植民地に対する考え方はだいぶ違う。
 旧植民地を市場やチャンスとして捉え、英国の国際市場における地位を補足するものとして考えている。これまで多くの英国企業がインドなどの旧植民地資本に買収された。一部には反発があったものの、総じて旧殖民地からの資本参加は歓迎されている。
 これに対してスペインやポルトガルなどのラテン諸国は、19世紀以前の植民地に対する考えから脱却することができず、旧植民地からの資本流入に対して嫌悪感を持つ。こういった非合理性が結果として金融経済危機を引き起こしているというのだ。

 この話はそのまま日本にも当てはまる。日本も南欧ラテン諸国と同様、旧植民地からの企業買収には反発の声が大きい。ラテン諸国の惨状を見るに、現代の経済システムにおいては、資本移動や企業活動を制限することはメリットよりも弊害の方が大きいようである。
 かつて日本は戦争によって多大な国益を失ったが、アジア諸国の資本を有効活用できなければ、それこそ先の大戦はすべてムダだったということにもなりかねない。外国資本を拒否することばかりが国益ではない。

 - 政治, 経済

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