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米利上げとドル高に備え、東南アジア各国が財政規律を強化

 

 米国の利上げとドル高に備え、東南アジア各国の準備が進んでいる。これまで景気優先だった東南アジア諸国が財政再建に向けて舵を切り始めた。財政問題をきっかけに資金流出が起こることを警戒した動きと考えられる。

 マレーシアでは2015年4月1日、6%の消費税の徴収を開始した。タイでも相続税が導入される予定となっているほか、ベトナムなど東南アジア各国も増税を検討している。
 新興国の景気は停滞しており、株価のパフォーマンスもよくない。本来であれば、積極的な財政で景気を刺激したいところだが、各国の動きは正反対である。背景には、米国の利上げに伴うドル高観測があり、これに原油価格の下落が拍車をかけている状況だ。

maresia

 米国は今年中に利上げに踏み切る可能性が高い。3日の雇用統計が予想以上に悪い数字だったことから、債権市場や株式市場では利上げが9月以降になるとの公算が高まっているが、これはあくまでも短期的な視野の問題である。
 中長期的には米国経済の回復に伴って利上げが実施され、ドル高が進行するとの見方でほぼ一致している。ドル高が進めば新興国から米国に資金が流出する可能性があり、経済基盤が脆弱な国の場合には、財政問題が顕在化するリスクがある。財政再建への道筋をつけておくことは、新興国にとっては重要な課題である。

 この動きに拍車をかけているのが、原油価格の下落である。原油価格の下落は、米国のシェールガス事業者にマイナスの影響となるが、一方で米国は世界最大の石油消費国でもある。
 アメリカの2月の貿易収支は、赤字幅が354億ドル(約4兆2000億円)と前の月から17%も減少した。西海岸の港湾労使問題により輸入が減ったことも影響しているが、原油価格の下落が米国の貿易赤字を減少させる傾向がより顕著になっている。

 2日には米欧6カ国とイランが核開発問題の解決に向けた枠組みで合意した。イランに対する経済制裁が解除された場合、イラン産原油が市場に供給されることになり、原油価格の下落圧力はさらに高まることになる。

 マレーシアなどの産油国は国家歳入の一定割合を石油に頼っており、原油価格の下落と、それに伴うドル高の進行はダブルパンチとなる。

 中国はすでに7%の低成長路線に舵を切っており、東南アジア各国が財政再建を強化すれば、新興国の経済成長はさらに鈍化することになる。
 ここ1~2年の間に、世界経済の米国依存度が高まっているが、利上げ後はその傾向がさらに顕著になってくるだろう。

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