ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米雇用統計は市場予想の半分。株価のトレンドが変わる可能性も

 

 米労働省が2015年4月3日に発表した3月の雇用統計は、市場予想を大幅に下回り、前月の半分以下の水準にとどまった。市場ではちょっとしたショックとなっており、ドル円相場は一時、1ドル=118円台に下落した。

  非農業部門の雇用者数は前月比12万6000人増となり、前月から13万8000人減少した。
 米国では新規雇用者数の増加が20万人を超えていると好景気とみなされる。このところ、雇用者数の増加が20万人を大きく超える月が連続しており、米国景気は好調という認識となっていた。米国の利上げタイミングが市場で取り沙汰されている最中だったこともあり、今回の結果は、市場の波乱要因となりそうだ。

usakoyoutoukei201503

 新規雇用者数が大きく減少した要因のひとつは、シェールガス関連の雇用が大きく減ったこと。原油価格が大幅に下落していることから、シェールガス事業者の中には減産を迫られるところが出てきており、付帯する事業での雇用減少が予想されていた。実際、減算の影響が出始めたということになる。

 製造業の雇用も振るわなかった。西海岸の港湾労働者のストが長引き、部品の調達が滞っているメーカーが出てきており、これが雇用者数に影響した可能性がある。一方、企業が設備投資を抑制していることを懸念する声もあり、こちらが原因だとすると、今後も雇用は低調ということになる。

 シェールガスの減算や港湾ストの影響が大きいのだとすると、雇用の抑制は一時的なものとなるが、今回の下落が本当に一時的な要因によるものなのかは、来月以降の指標を見ないと確認できないだろう。

 市場関係者がもっとも気にしているのが、利上げのタイミングとそれにともなう株価の推移である。好調な雇用市場が続けば、6月にも利上げが実施されると予測する声が多かったが、今回の結果を受けて9月以降にズレ込むとの見方も出てきている。

 伸びは鈍化しているものの、総じて米国の景気が好調であるという状況に変わりはなく、中長期的なトレンドは変わらない可能性が高い。だが短期的には利上げタイミングをめぐって市場は神経質になっており、株価が予想外の動きを見せる可能性もある。

 米国の株式市場は、これまで悪い指標が出ても、利上げが遠のくと解釈され、株価上昇の材料となってきた。だが、景気が足踏みするという観測が高まれば、悪い指標はそのまま株価の下落材料となる可能性もある。少なくとも市場のトレンドが変わる可能性については、多少の警戒が必要となってきたかもしれない。

 - 経済 , ,

  関連記事

tanbo
JA全中が農協改革案を受け入れ。今後は農業従事者のサラリーマン化が進む?

 JA全中(全国農業協同組合中央会)は2015年2月9日、政府・与党がまとめた農 …

kosakukiki
製造業の設備投資がようやく回復基調に。だが実態は米国景気に依存した綱渡り

 内閣府は11月13日、9月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「船舶・電 …

beikokuoil
原油価格の下落で商社各社が損失。今後の事業ポートフォリオは?

 住友商事は2015年3月25日、2015年3月期の決算について、黒字予想から一 …

kokuzei
確定申告の時期を迎え申告漏れのニュースが増加。今後の本丸は庶民の相続税

 確定申告の時期を迎え、全国で申告漏れや脱税のニュースが増加している。昨年末には …

businessman04
駆け込み需要で絶好調な1~3月期GDP。10%増税と追加緩和への影響は?

 内閣府は2014年5月15日、2014年1~3月期の国内総生産(GDP)の速報 …

factory05
米中両国の製造業指数が示す、好調な個人消費と低調な製造業の綱引き

 米国と中国の製造業で冴えない指標が相次いでいる。米供給管理協会(ISM)が発表 …

no image
楽天が出版取り次ぎに参入。その本当の目的は?

 楽天が出版取り次ぎ業に参入すると朝日新聞が報じている。取り次ぎとは書籍の卸売業 …

bouekitoukei 201503
貿易収支は2年9カ月ぶりに黒字。長期的に赤字傾向は変わらない可能性が高い

 財務省は2015年4月22日、3月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し …

sekiyu
内閣府の世界経済に関する報告書。原油安がプラスの影響をもたらし、米国・欧州経済の拡大が続く

 内閣府は2015年6月13日、世界経済の現状に関する報告書「世界経済の潮流(2 …

ecb201506
ドイツと米国の金利が急上昇。金利正常化プロセスなのか市場の混乱か?

 このところ各国の金利が急上昇している。4月中旬にはゼロ%まで近づいたドイツの長 …