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米国の対日世論調査から考える、今後の対日感情の変化と中国の影響

 

 米国の調査機関であるピューリサーチセンターは2015年4月7日、日米の相互信頼に関する世論調査の結果を発表した。基本的に双方に信頼感が醸成されているが、今後の動向については少々気になる点もある。

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  この調査は同センターが、18歳以上の日米の市民1000人に対して行ったものである。日米は相互に信頼できるかという問いに対して、信頼できると回答した人は、米国が68%、日本が75%となっている。
 外務省が行っている対日世論調査の結果でも、日本は信頼できると回答した人は73%だったので、大きな違いはない。基本的に相互信頼は確立しているとみてよいだろう。

 ただ、予想されたことだが、日本の軍事的役割については多少、見解が分かれている。
 日本が軍事的役割を積極的に果たすべきと考えている米国人は47%に上っているが、日本側で積極的な役割を果たすべきと考えている人は23%にとどまっている。米国側がより積極的な姿勢を望み、日本はそれに対して消極的という図式が継続しているようだ。

 また中国に対する認識についても注意が必要だ。全体としては中国について信頼できると回答した米国人は30%だが、日本との経済関係より中国との経済関係を優先すべきと考える米国人は36%となっている。さらに30歳未満の若年層に限っては61%が、非白人については52%が中国優先である。
 今後は現在の若年層が意思決定の主流となっていくほか、米国ではマイノリティのシェアの増加が続く。10年後の世論調査の結果は大きく変わっている可能性がある。

 ちなみに慰安婦問題についても興味深い結果が出ている。アジアにおける政治的課題に関する問いでは、57%が従軍慰安婦問題について、聞いたことがないと回答している。

 これについて、米国では慰安婦問題は争点になっていないと解釈するのは楽観的過ぎるかもしれない。米国は大衆文化の国であると同時に、日本からは想像もできないエリート社会でもある。米国の意思決定に関与する知識人がどう考えるかで、政策が決まってしまうという側面がある。
 慰安婦問題に対する日本要人の発言が、戦後秩序の再構築であると知識人に認識されてしまうと非常にやっかいだ。

 日本国内には、意見広告などを通じて、日本側の正当性について広く米国に告知すべきという意見もある。だが、一般的にはこの問題がほとんど知られていないという状況を考えると、こうしたマス向けの宣伝活動にはあまり意味がないことになる。
 日本側としては、ステートメントなどを通じて、戦後秩序を変更する意思がないことを、論理的に説明することこそが、最良の手段だと考えられる。

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