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キューバで行われた米調査機関による非公式世論調査。その結果は?

 

 米国との国交正常化交渉が進むキューバで実施された「非公式」世論調査の結果が話題となっている。オバマ大統領を評価すると回答したキューバ人は80%にのぼり、ラウル・カストロ国家評議会議長の47%を大きく上回った。

 調査を実施したのは、米国の調査機関でキューバ政府の承認は得ていないという。キューバは1959年のキューバ革命以降、カストロ議長による独裁体制が長く続いていたことから、民主国家における世論調査に相当するものはほとんど行われていない。ある意味では、初めてキューバ国民の民意が明らかになったといえるだろう。

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 ラウル・カストロ氏に対する評価は、肯定的が47%で、否定的という回答が48%だった。ラウル氏の兄でキューバ革命のカリスマ的指導者であるフィデル・カストロ氏については、肯定的が44%、否定的が50%だった。キューバの革命政権に対しては評価が二分していることが分かる。
 また、国民の97%が米国との国交正常化の取り組みを支持しており、同様に96%が米国は対キューバ経済制裁を解除すべきだと回答している。

 米国の調査機関による非公式の調査であることから、結果は多少割り引いて考える必要があるが、興味深いのはキューバ人の率直な姿勢である。

 北朝鮮がその代表だが、キューバのような独裁国家の多くが、国民による相互密告制度を採用しており、プライベートな場であっても、体制批判を口にすれば即座に弾圧の対象となる。
 日本も軍部が台頭した大政翼賛会時代には、似たようなシステムを構築していた。今では、純粋なコミュニティの場になっているが、町内会はもともとそうした目的のために政府主導で作られたものである。このため、独裁国家の国民は、家庭の中でもホンネを言わないことが多い。

 非公式とはいえ、このような世論調査において、指導者に否定的な見解を示せる人が半数存在するというのは、キューバの実質的な経済解放がかなり進んでいることを示唆している。

 革命以前のキューバは、米国人にとって最大の海外リゾートであり、米国資本のカジノ・ホテルが建ち並んでいた。このため、もともと米国文化を受け入れる土壌がある。
 また、キューバは、カリブ海諸国の中でも文化水準が高く、市場開放後の潜在市場は極めて大きいといわれている。国交が正常化し、経済制裁が完全に解除されれば、両国にとって大きな経済的メリットがあるだろう。

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