ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

苦戦続くIBM。人工知能に市場は反応せず、ドル高がダメ押し

 

 米IBMは2015年4月20日、2015年1~3月期の決算を発表した。売上高は前年同期比11.9%減の195億9000万ドル(約2兆3500億円)、純利益は前年同期比2.4%減の23億2800万ドル(約2800億円)だった。
 主力のクラウド事業が伸び悩んでいることに加え、海外向けサービスがドル高の影響で目減りした。注目される人工知能関連の事業はまだ収益に貢献する段階には至っていない。グローバル企業であることが裏目に出た格好だ。

 ibmrometti

 同社は創業100年を超える老舗IT企業で、コンピュータの歴史はIBMの歴史と言い換えても過言ではない。大型汎用機からパソコンへの転換に乗り遅れ、一時は経営が傾いたが、その後は復活。2007年にはいち早くクラウド・サービスを立ち上げるなど、現在のクラウド・ブームの先駆けを作った。

 だが、肝心のクラウド事業はアマゾンなど新興企業に圧倒され、同社は思うようにシェアを拡大できなかった。さらに拍車をかけたのがモバイル対応の遅れである。
 IBMは企業の基幹システムを得意としており、コンシューマ向けのシステムにはあまり力を入れていない。しかし、企業向けシステムの分野でもモバイル対応が急速に進み、同社はこの部分でも遅れを取ってしまっている。

 今回の決算で減収は12四半期連続となり、市場では失望感が広がっている。同社は、人工知能の分野ではトップを走っており、初の本格的な商用人工知能「ワトソン」を市場に投入している。だが、今のところ投資家はこの材料にはほとんど反応していない。一時は200ドルを超えていた株価は現在160ドル台と冴えない状況が続く。
 ただ、コスト削減策は功を奏しており、利益は下げ止まったようにも見える。売上げの減少に歯止めがかかれば、反転できる可能性もある。

 同社は、今後、クラウドサービスやモバイル関連事業に40億ドル(約4800億円)を投入する方針を明らかにしている。積極投資によって関連事業の割合を今後数年で全体の半分近くまで拡大したい意向だ。

 当面、ドル高傾向が続くことや、先行投資が収益に貢献してくるまでには時間がかかることなどを考えると、しばらくの間、株価の低迷は続くかもしれない。

 - 経済, IT・科学 , ,

  関連記事

no image
この期に及んでも決められないシャープ。鴻海の郭会長はブチ切れて帰国

 経営危機に陥っているシャープと鴻海(ホンハイ)精密工業の資本提携内容の見直し交 …

africa
国連の世界人口予測が示す、中国の失速と米国の躍進。総人口ではアフリカが急進

 国連経済社会局は6月13日、世界人口展望の最新報告を発表した。それによれば、現 …

kousaihi
「焼け石に水」にすらならない企業の交際費非課税案。もはや日本経済は末期症状

 来年4月の消費税増税対策の一つとして、大企業における交際費の一部が非課税となる …

jbicwatanabe
経常赤字転落でマーケットが混乱するという通貨マフィア発言の真意とは?

 経常収支の赤字転落で市場が混乱するかもしれないという、国際協力銀行の渡辺総裁の …

barclay
LIBOR問題が刑事事件に発展。これは英国と米国の金融覇権をめぐる争いだ!

 英国の重大不正捜査局は11日、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR、通称ラ イボ …

kakeibo
家計のエンゲル係数が急上昇。それ以上に上昇しているのは電気代と水道代

 消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数が急上昇している。2014年4月に …

snowden
すべて米国に言われるがまま。スノーデン事件で明らかになった欧州の弱腰

 米国情報機関の監視を暴露したCIA元職員エドワード・スノーデン氏の処遇をめぐっ …

caterpillar002
世界経済を反映する米キャタピラーの決算。2014年の成長は穏やかになる見込み

 米建設機械大手のキャタピラーは2014年1月27日、2013年10~12月期の …

kourousho
ようやく最低賃金が大幅に引き上げられるが、恩恵の多くは中間層に?

 諸外国に比べて低く抑えられていた日本の最低賃金がようやく引き上げられる。最低賃 …

chipurasueu
ギリシャが一転、EUが提示した緊縮策を丸飲み。ドイツがそれでも支援に否定的な理由

 債務危機となっているギリシャ支援を話し合うユーロ圏財務相会合が2015年7月1 …