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貿易収支は2年9カ月ぶりに黒字。長期的に赤字傾向は変わらない可能性が高い

 

 財務省は2015年4月22日、3月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2293億円の黒字となった。貿易収支が黒字となるのは、2012年6月以来、2年9カ月ぶり。米国向けの輸出が好調だったことに加え、原油価格の下落で輸入額が減少した。

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 輸出額は6兆9274億円で前年同月比で8.5%増加した。円安に加え、米国経済が好調であることから、自動車、電子部品、加工機械などの輸出が増えた。
 輸入額は6兆6981億円で、前年同月比で14.5%減少した。原油価格の下落によって原油や石油製品の輸入額が大幅に減少しており、原油は50%、石油製品は38%の減少となった。だが火力発電所の主な燃料であるLNGは12.3%の減少にとどまっている。

 日本企業は、製造業の現地生産が増えたとはいえ、基本的なビジネス・モデルはあまり変わっていない。このため、米国経済が好調で円安になると企業業績が拡大しやすい。
 現在は、まさにその状況であり、自動車産業などを中心に米国向けの輸出が拡大している。これに加えて原油安で石油の輸入が減っていることから、貿易収支は久しぶりに黒字に転換した。

 実は、リーマンショックが発生する前の2007年にも同じような状況が見られた。円安と米国経済の拡大で輸出と貿易黒字が拡大したが、結局、リーマンショックによってそのサイクルは終了してしまった。

 ただ、長い目でみれば経済の成熟化に伴い、貿易赤字は拡大する方向にある。今回の黒字化は一時的なものと考えた方がよいだろう。
 今のところ日本は、経常赤字を前提にした経済システムへの転換が十分に進んでいない。米国経済の回復で輸出が回復しつつある今が、構造転換を進める絶好のチャンスといえそうだ。

 - 経済

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