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香港行政長官選挙の改革案。想定通り、民主派は排除

 

 香港特区政府は2015年4月22日、2017年に行われる次期行政長官選挙に関する制度改革の最終案を立法会(議会)に提出した。すでにおおよその内容は知られていたので大きな混乱はなかったが、予想通り、民主派からの立候補は実質的に排除されることになりそうだ。

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  従来の行政長官選挙は間接選挙制となっており、事前に中国側の承認を得た候補者を選挙委員会の投票で選出する仕組みになっている。選挙委員会のほとんどは親中派が占めるため、民主派は事実上、行政長官になれない状況が続いていた。

 2017年の選挙に向けて香港内部では民主的な選挙を求める声が高まっていたが、おり中国政府は選挙制度の改革を進めていた。
 だが、中国の国会にあたる全人代(全国人民代表大会)常務委員会は 2014年8月に、選挙制度の改革案を全会一致で決定したものの、その、その内容は、実質的に民主派の立候補を制限するものであったことから、学生や民主派が反発し一連のデモに発展した。

 今回、正式に提出された法案は、全人代が求めていた内容に沿ったものとなっている。
 最終案では、業界団体の代表ら1200人で構成される指名委員会が設置され、ここで候補者が推薦されることになる。最低でも120人の推薦が必要となるが、240人以上の推薦は受けることができないので、最低でも5人の候補者が出てくる計算になる。

 次に、この指名委員会の中で投票が行われ、過半数を獲得した候補者が最終的に長官選挙に立候補できることになる。最終的な長官選挙ではもっとも得票数の多い人物が長官に選出される。過半数を獲得している必要はない。
 指名委員会のメンバーは中国本土と関係が深い実業家で占められる可能性が高く、中国政府の意に沿わない人物が長官に立候補するのは事実上不可能となる。

 民主派は当然、この法案に反対しているが、仮に法案が拒否されたとしても、従来の非民主的な長官選挙制度が残るだけであり、大きく事態が変わるわけではない。

 このため、前回のデモのような事態にはなっておらず、反対派も比較的、冷静なスタンスを貫いている。また、非民主的な方法でも、直接選挙が実施された方がよいとの考えもあり、香港市民の表情は複雑だ。

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