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更迭されたギリシャのバルファキス外相。だが本人にとってはメリット?

 

 ギリシャのチプラス政権は、EUとの交渉チームの顔ぶれを一新した。新しい交渉チームのリーダーには、ツァカロトス外務副大臣が就任し、これまで交渉の責任者だったバルファキス財務相は相談役に退く。

 バルファキス財務相は、型破りな交渉スタイルで知られていたが、EUが望む緊縮財政を拒否する発言を繰り返しており、EU側の不興を買っていた。交渉チームの刷新でギリシャがEU側の要求を受け入れる可能性は高くなってきた。

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 バルファキス財務相は、もともと経済学者だが、テレビ出演なども数多くこなすマルチタレントで、自らをマルクス主義者のリバータリアンと称している。
 EUの交渉の場には、真っ青なシャツに皮ジャケットという姿で表れ、EU官僚の度肝を抜いた。チプラス政権としては、EU側に対して一歩も引かない姿勢をアピールする象徴的な存在であった。

 ただ、現実に交渉が始まると、ギリシャの思惑通りにはいかなかった。緊縮財政を強く求めるドイツが一歩も引かず、ギリシャ側は実質的にEUが求めるプランを受け入れざるをえない状況に追い込まれていた。
 だが、バルファキス氏は、立場上、EUのプランを受け入れるわけにはいかず、EU側と押し問答が続いているというのが現実であった。

 このままでは、ギリシャがEUから強制的に脱退させられる可能性も出てきたことから、チプラス首相がこれを危惧したものと考えられる。
 欧米メディアでは、バルファキスの実質的な更迭と報じているが、もしかするとバルファキス氏にとってはメリットが大きかったかもしれない。

 ギリシャが置かれた立場を考えると、EU側の要求を飲まざるを得ない状況だが、これを決断したのがバルファキス氏ということになると、反EUの象徴的な存在だったこれまでのイメージが崩れてしまう。

 バルファキス氏は、実はかなりの資産家として知られており、豪勢な私生活を暴露する報道もある。EUが示す緊縮案を受け入れ、国民に対して今後も厳しい生活を求める一方、自身はセレブな日常ということになると、大きなマイナスイメージになってしまう。

 EUに対する強硬な姿勢が原因で更迭というシナリオの方が、マルチタレントでもあるバルファキス氏にとっては好都合かもしれない。

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