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安倍首相が米議会で演説。なぜ今まで長期にわたって実現しなかったのか

 

 安倍首相は2015年4月29日、米議会の上下両院合同会議で演説を行った。米議会での演説は池田勇人元首相以来54年ぶり。事務的なやり取りに終始した前回の訪米と比べ、米国側の対応は大きく変わった。安倍政権が長期政権になるとの見方を強めた可能性が高い。

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 米議会の上下両院合同会議での演説には特別な意味合いがある。一般的には国賓級の待遇で迎えられる同盟国の首脳が招待されることが多い。
 戦後、日本の首相として初めて米議会で演説を行ったのは吉田茂元首相だが、これは上院での演説であった。続いて安倍氏の祖父にあたる岸信介元首相が上院で、池田勇人元首相が下院で演説を行っているが、より格の高い両院合同会議での演説は安倍氏が初めてとなる。

 ただ両院合同議会での演説は、米国の同盟国の首脳であれば、何度も招待されるものであり、これまで日本の首相の演説がなかったことはむしろ意外な感じがする。

 池田氏の時代までは、日本はまだ敗戦国としてのイメージを引きずっており、米ソ冷戦時代を迎え、日本が米国の同盟国であるという立場を確認するというニュアンスが強かったと考えられる。

 その後、日米は名実共に同盟国としての関係を深めていったものの、70年代以降は、日本の経済的発展によって貿易摩擦が深刻化してきた。日本メーカーによる怒濤の輸出攻勢によって、米国では失業する人が続出したことから、議会で演説する雰囲気にはならなかったと考えられる。

 90年代に入って、ようやくこうした問題が落ち着いてきたが、今度は日本の政治が不安定化し、毎年のように首相が交代する事態となった。短期政権となる可能性が高い首相を議会に呼ぶメリットは少なく、議会演説はやはりお預けとなった。日米関係がもっとも良好といわれた小泉政権の時代も、演説は実現していない。

 続く民主党政権の時代も、明確な目的がないまま、米国から信頼されているという国内向けのアピールのため、とりあえず訪米するという状況であった。
 安倍氏の前回の訪米も似たようなものであり、日本側が何度も打診して実現にこぎ着けた。ドライで実務的といわれるオバマ政権は、夕食会も開催せず、冷淡な対応に終始している。

 だが、今回の訪米は国賓級の待遇ということで、大統領夫妻がホワイトハウスで出迎えを行い、夕食会も開催した。
 日本に対するこうした対応の変化は、米国側が安倍政権について、長期政権になる可能性が高いと判断した可能性を示唆している。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉が大詰めを迎えていることや、米国が日本の安保法制の実現を強く望んでいることも、大きく影響したと考えられる。

 演説で安倍氏は、米海兵隊のグアム移転について資金協力を行うことや、夏までに安保法制を実現することを明言している。このあたりが、今回の議会演説に対する日本側の最大のお土産ということになるだろう。

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