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日銀が物価目標の達成時期を先送り。2年で2%は実質的に撤廃

 

 日銀は2015年4月30日、「15年度を中心とする期間」としてきた物価目標達成までの期間について「16年度前半頃」に変更した。2年で2%という物価目標は事実上撤廃された。

 黒田総裁は、2年で2%という大胆な物価目標を掲げ、量的緩和策を実施してきた。当初、物価は順調に上昇するかにみえたが、消費増税の前後をピークとして鈍化傾向を見せ始め、最近では実質的にゼロとなっている。

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 総務省が発表した3月の消費者物価指数は、代表的な指標である「生鮮食品を除く総合」で前年同月比プラス0.2%(消費税の影響除く)にとどまっている。完全にゼロ%となった2月に比べると若干上昇したが、物価の上昇が止まっていることは事実である。

 黒田氏は、現在の物価低迷について、原油安という一時的な要因であるとの立場を崩していないが、額面通りに解釈する市場関係者はほとんどいない。
 このままでは、日銀は追加緩和に追い込まれてしまう可能性が高いが、日銀としては、このカードはできるだけ切りたくない。そうなってくると、物価目標を後ろにズラす以外に、これを避ける方法はないという判断になる。

 「2年程度」については具体的には2015年度中と理解されてきたが、これを16年度前半にシフトしたところで、最大で半年程度の時間稼ぎである。もし黒田氏が追加緩和に消極的な場合、近い将来、再度、物価目標を後退させる必要に迫られることになる。

 もっとも、日経平均が2万円を突破し、官邸からの緩和圧力は多少弱まったかもしれない。黒田氏にとっては、選択肢に多少の余裕ができたことになる。当面は、株価の動向を見ながら、次の方策を探ることになるだろう。

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