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民主、自民、維新3党の領土問題へのスタンスを比較してみると?

 

 維新の会への太陽党の合流が決まり、いわゆる第三極勢力はある程度まとまった勢力となることが確実となった。次期衆院選では、民主、自民の争いに加えて、維新の会がこれにどだけ食い込めるかというところが焦点となってきた。
 尖閣諸島問題は現在のところまったく解決の糸口が見えていない状態だが、選挙の結果によって尖閣諸島問題に代表される外交・安全保障政策はどのように変化するのだろうか?

 野田佳彦首相も16日の記者会見で、「強い言葉で外交・安全保障を語る、そういう風潮が残念ながら私は強まってきたように思えてなりません」と指摘し、引き続き民主党が政権与党となった場合には、冷静で現実的な外交政策を推進する見通しを明らかにした。
 一方、自民党の菅幹事長代行は、18日のTV番組において「日本の領土が脅かされおり、日米関係を再構築することが大事だ」として、日米安保を強化することで中国に対して牽制し、実行支配を強化していく姿勢を強調した。

 民主と自民は従来の路線をそのまま継続する方針のようである。

 民主党は尖閣問題に対しては実質的なポリシーを持ち合わせていない。日中両国の紛争のもととなった尖閣諸島の国有化についても、石原前東京都知事が都による土地購入を表明したことをきっかけに慌てて国有化を決めたにすぎない。民主党が勝利した場合には、外務官僚主導の交渉が継続するものと思われる。

 自民党の安倍総裁は自民党の中でも右派とみなされており(海外メディアの多くは、安倍総裁の祖父がA級戦犯であった岸信介元首相であり、安倍氏自身が岸元首相を尊敬していることから国粋主義者と報道している)、尖閣問題に対して強硬路線を貫くとの見方も一部には存在する。

 だが自民党では麻生太郎元首相などを中心に、水面下で中国側との交渉に乗り出しているといわれている。自民党は田中角栄元首相による日中国交回復以来、一貫して金銭的な面を含めた妥協政策を日中外交の基本戦略としており、今回もその延長線上で交渉が行われる可能性が高い。公明党との連立が成立した場合には、さらに強硬路線は取りにくくなるだろう。

 それでは、太陽党の合流が決まった維新の会はどのようなスタンスとなるだろうか?
 維新の会の新しい代表に就任した石原氏はもともと尖閣問題の火付け役である。また太陽の党の共同代表であった平沼赳夫氏は、戦前の大物右翼政治家でA級戦犯でもあった平沼騏一郎元首相を養父に持つ保守政治家である。
 一方、代表代行に就任した橋下氏は、領土問題の存在を認めて国際司法裁判所へ提訴することを主張してきた現実主義者である。本来であれば両者の安全保障政策は水と油なはずである。
 結局、維新の会と太陽の党の基本合意では、「沖縄県・尖閣諸島をめぐり中国に国際司法裁判所への提訴を促し、提訴されれば応訴すると」明記され、橋下氏の主張が全面に出た形となった。

 民主党が主張するように現行路線を踏襲した場合、問題が解決する可能性はほぼゼロに近い。中国側が強硬な態度にでなければ現状維持となるが、基本的に中国側にボールを預けることになる。
 一方、自民党が勝利した場合には、何らかの妥協が成立する可能性が高い。どのような譲歩を中国側から引き出すかによるが、領土問題の存在を認める代わりに、日本の実効支配が維持されるという選択肢もあり得る。そうなると国内で中国側に譲歩したとの批判が巻き起こる可能性もある。
 維新の会が与党になった場合も同様である。国際司法裁判所に提訴することで、実効支配している日本の立場はある程度認められる可能性が高い。だが一方で竹島については日本が実効支配していないというダブルスタンダードが明確になってしまう。尖閣を取ると竹島を失うというトレードオフが成立してしまうかもしれない。

 3党の方針は手法こそ異なっているが、意外にも現実的主義的なものとなっている。現状では、どの政党が与党になっても、尖閣、竹島問題においては、日本側が何らかの譲歩を決断する可能性が高い。世論の一部では領土問題への強硬路線を主張する声もあるようだが、日本人全体が本当に強硬路線を貫くほどの覚悟が出来ているのかとなると、それも疑問ではある。有力3党の安全保障政策は、現状の日本人の意識をよく反映しているのかもしれない。

 - 政治

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