ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米独の金利が急上昇。とうとう超低金利時代が終了するサインなのか?

 

 このところ米国と欧州の金利が急上昇している。極限まで進んでいた低金利に対する一時的な反動との見方がある一方、マクロ的な環境変化のサインであるとの声も出てきている。仮にマクロ環境の変化なのだとすると、日本市場も大きな影響を受けることになる。 wallst02 金利の急騰が特に顕著なのはドイツである。10年物ドイツ国債は、ECB(欧州中央銀行)による量的緩和策の実施によって、ほぼ0%に近い水準まで買い進まれていた。2014年の年初には2%前後の水準だったことを考えると、空前の低金利といってよいだろう。

 だが5月に入ってドイツ国債は売られ、金利は0.6%まで一気に急騰した。米国債もこれにつられる形で、2%を超える水準まで上昇している。

 ドイツの金利が上昇しているのは、量的緩和策が効果を発揮し、欧州経済が好転する可能性が高くなってきたからである。特にドイツの景気回復は著しく、ドイツ国内では税収の増加で財政が黒字化し、減税の議論が本格化している状況だ。

 米国も政策金利の引き上げを控えており、基本的には金利が上昇しやすい環境にある。だが厳冬によって1~3月期のGDPが低迷するなど、景気が踊り場に差し掛かっているとの見方もあり、金利の動向は非常に微妙な状況となっていた。

 米国金利の上昇は、今後の成長を楽観視したものというよりは、原油価格の下げ止まりを反映したものだろう。一時、1バレル40ドル近くまで売り込まれた原油は、4月に入って上昇を開始し60ドル近くまで値上がりしている。米国内のシェールガスの生産調整が終了したと見なされれば、この水準が継続する可能性が高く、そうなれば再びインフレ期待も高まることになる。

 ただ、欧州の景気回復と原油価格の下げ止まりが鮮明になれば、仮に米国の景気が多少踊り場に入ったとしても、金利引き上げの環境が出揃うことになる。そうなってくると、量的緩和策を前提とした超低金利時代は、いよいよ終わりを告げることになるかもしれない。

 世界の株式市場では、緩和期待による高騰が続いてきた。金利上昇は最終的に株価にプラスとなるはずだが、超低金利時代が終了するということになると、投資対象の銘柄は大きく入れ替わることになる。しばらくの間、株価は不安定な動きを見せる可能性が高い。

 特に日本の場合、金利上昇は財政問題の悪化というイメージにつながりやすく、思わぬ副作用をもたらすリスクがある。本当にマクロ環境が変化しているのだとすると、相応の警戒が必要となるだろう。

 - 経済 , ,

  関連記事

keizaizaiseisimonkaigi
財政再建とバラマキ予算をいとも簡単に両立させてしまう、財務省のレトリックとは?

 政府は8月2日、経済財政諮問会議を開催し、財政健全化の道筋となる中期財政計画の …

furyokuhatudenrakka
京都の風力発電所で45トンの発電用風車が落下。一歩間違えば大惨事に。

 京都府は3月13日、太鼓山風力発電所に設置した風力発電機の鉄柱が折れ、風車が落 …

satsutaba02
預金封鎖と財産税が密かな話題となっている背景とは?

 終戦直後に実施された預金封鎖と財産税がちょっとした話題になっている。NHKが夜 …

mvc
日本の年金基金などが米国の発電所を買収。インフラ投資のモデルケースとなるか?

 インフラ投資のための共同事業体であるグローバル戦略投資アライアンス(GSIA) …

gabanansu
ないよりはマシ?安倍政権が成長戦略に企業統治を盛り込む方針を表明

 安倍首相は2014年6月3日、経団連の会合で講演し、コーポレートガバナンスを成 …

no image
日本の富裕層は124万世帯。格差拡大はこれからが本番?

 コンサルティング会社であるボストン・コンサルティング・グループは2014年6月 …

yawata
大手企業が相次いでTV通販業界を侵食。背景にはガラパゴス大企業の甘えが・・・

 これまで地方に拠点を置く企業が中心となっていたテレビ通販業界に、著名な大手企業 …

kokusaishusi201302
2月の経常収支は黒字転換したが、大きな流れは変わっていない

 財務省は4月8日、2月の国際収支を発表した。貿易収支は6770億円の赤字だが、 …

contena03
日中韓FTA交渉がスタート。だが日本に続き韓国もTPP参加に傾いており状況は微妙

 日本、中国、韓国の3カ国は3月26日、韓国のソウルで自由貿易協定(FTA)締結 …

kyuka
日本人は休みすぎ?労働時間と経済成長の適切な関係とは?

 最近はちょっとした残業を命じただけもブラック企業と呼ばれる時代になり、大手企業 …