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東芝が第三者委員会の設置を決定。不適切な会計処理は全社的な問題に拡大

 

 東芝の不適切な会計処理が全社的な問題に拡大している。同社は2015年5月13日、過去の不適切な会計処理によって、2012年3月期から2014年3月期にかけての営業利益が累積で500億円強、減少する見通しであると発表した。

 同社は会計処理に不適切な部分があるとして、2015年3月期の業績予想を取り消し、決算発表を6月以降に延期していた。5月8日には、社内の調査委員会だけでは不十分と判断し、全社的、網羅的な調査を行うため、第三者委員会の設置を決定している。調査の対象範囲などについては、第三者委員会の決定に委ねるとしている。

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 特別調査委員会がこれまで調査したところによると、不適切な会計処理を行っていたのは、電力システム、社会インフラシステム、コミュニティ・ソリューションの3部門で、原価総額を過少に見積もり、利益を一時的に底上げしていた。

 東芝は重電メーカーであることから、発電所など大規模なインフラ案件を多数受注している。こうしたプロジェクト案件を決算に計上する方法としては、完成基準と進行基準の2種類がある。今回の問題となっているのは、進行基準による計上である。

 進行基準は、プロジェクトの進捗状況に合わせて、売上げや経費を分散して計上していく。これに対して完成基準はプロジェクトがすべて完了してから一括して売上げや利益を計上する。
 完成基準は、売上げが計上された段階ですべてのコストが分かっているので、確実に損益を確定することができる。しかし、完成までの間は、決算書上にプロジェクトの結果が反映されないため、経営実態と決算書に乖離が生じてしまう。

 一方、進行基準はプロジェクトの実態が決算書に反映されやすくなるが、恣意的な解釈の余地が広くなる。今回のケースでは、将来調達する資材についてコストダウンが可能であると仮定して経費を少なく計上するといった措置が行われていた。

 今回、下方修正の対象となったインフラ関連部門の売上高は全体の25%程度しかない。もし不適切会計処理が全社的なものということになると、同社の決算に対する信頼は一気に崩れてしまうだろう。その内容によっては粉飾決算と認定される可能性も出てくるかもしれない。

 もしそうなった場合には、もはや東芝単体の問題では済まされない可能性が高い。安倍政権はコーポレートガバナンスの強化策を通じて、日本市場への投資を呼びかけているが、市場全体の信頼性を崩壊しかねない大きなリスクを抱えてしまったのかもしれない。

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