ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

高齢者票が決め手となり大阪都構想は否決。これはまさに日本の縮図

 

 橋下徹大阪市長が掲げた「大阪都構想」の是非を問う住民投票が2015年5月17日に行われた。反対70万5585票、賛成69万4844票という僅差での否決となり、大阪市の存続が決定した。橋本氏は政界引退を表明している。

hashimoto201505

 大阪都構想は、大阪市を廃止して5つの特別区に分割するというもの。これまで大阪市が担っていた行政について、インフラ整備など広域行政については大阪府に一元化する一方、新設する5つの特別区には区長と区議を置き、地域の特性に合った行政を実施する。橋本氏は、市と府の二重行政が解消できるとしていたが、反対派は行政サービスの質が低下すると主張していた。

 橋本氏個人に対する賛否というニュアンスが強いものの、最終的には、地盤沈下が続く大阪をどうするのかというのが住民投票の大きなテーマである。

  このところ橋本人気にも陰りが出てきているとの指摘が多かったが、結果はわずか1万票という僅差で、改革期待が依然として大きいことがはっきりした。
  だが橋本氏は事前に宣言していた通り、投票の結果を受け、政界引退を表明している。橋本氏の引退によって、維新の会の存在感は一気に低下する可能性が高く、改革の動きは急激に萎む可能性が高くなってきた。

 年齢別の賛否を見ると、高齢者と若年層の対立軸という図式がはっきり見えてくる。
 朝日新聞の出口調査では、20代から60代まではいずれの年齢層も過半数が都構想に賛成している。20代は61%、30代は65%と若年層ほど賛成する割合が高い。一方で、反対が賛成を上回ったのが70歳以上で、61%が反対に回っている。高齢者層は投票率が高いので、結果的に全体的な決定権を握る結果になったと考えられる。今回の住民投票はまさに日本全体の縮図といってよいだろう。

 経済的には、大阪都構想には大阪経済圏の改革という意味合いも含まれている。住民投票が否決されたということは、大阪市の行政は継続し、そこから配分される補助金も従来通りということになる。大阪経済圏の衰退が加速するとの見方はさらに強くなるだろう。

 - 政治 ,

  関連記事

cvn73gwyokosuka
原子力空母ジョージワシントンが米国に帰還。後継空母は何とか維持された状況

 米第七艦隊の主力空母「ジョージ・ワシントン」は2015年5月18日、米国に帰還 …

kozeni
マイナンバーカードとセットの軽減税率案に批判集中。果たして実現できるのか?

 財務省が2015年9月8日に提示した消費税の軽減税率の導入案が波紋を呼んでいる …

hakenhoukaisei
同一労働・同一賃金法案が衆院で可決。内容は骨抜きで格差は継続したまま

 正社員と派遣社員の格差を是正する「同一労働同一賃金推進法案」が2015年6月1 …

zenjindai02
中国の政府機構改革案。太子党利権である鉄道省は解体、尖閣対策に海洋局を強化

 中国国務院(政府)は10日、開会中の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)に、 …

ohkizan
米中間の貿易交渉に垣間見る、中国が抱える意外な弱点とは?

 米国ワシントンで開催されていた第23回米中合同商業貿易委員会 (JCCT)が1 …

suga
消費税増税の決定は9月9日のGDP改定値で。財務省の筋書き通り数値は良好?

 自民党の参院選圧勝をうけて、消費税増税決定のタイミングに注目が集まり始めている …

bigdata
ビックデータ時代に個人が身につけるべきリテラシーとは?

 IT戦略の一環としてビックデータの活用が注目を集めている中、景気動向や選挙動向 …

abeseichou02
成長戦略に関する議論を大胆に整理してみると・・・・話は意外と簡単だった

 アベノミクスにおける3本目の矢である成長戦略の迷走が続いている。当初、成長戦略 …

kyuryo
経団連がベア容認に方向転換。安倍政権との関係改善を優先か?

 大企業を中心にベースアップを容認する動きが顕著になってきた。基本的には安倍政権 …

ohshima
内閣府が災害対策のガイドライン見直しへ。日本で想定外のことばかり起きる理由とは?

 内閣府は、避難勧告や避難準備情報などを出す場合に自治体が参考にするガイドライン …