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OECDが世界の格差に関する報告書を発表。日本の課題は所得の再分配機能

 

 OECD(経済協力開発機構)は2015年5月21日に発表した格差に関する報告書で、世界の所得格差は過去最高水準に達していることを明らかにした。このところ格差問題がクローズアップされているが、報告書はこれを裏付ける結果となっている。

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 報告書によると、OECD加盟国における上位10%の富裕層は下位10%の貧困層の9.6倍の所得があるとしている。1980年には約7倍、2000年代には9倍だったので所得格差は拡大していることになる。

 富について比較する際には、所得に着目するのか、資産に着目するのかという2つの考え方がある。両社は相互に関連しているが、偏在化しやすいのは資産の方である。
 OECD加盟国においても同様で、所得格差よりも資産格差の方が圧倒的に大きく、上位1%の富裕層は全体の資産の18%を保有している。上位10%になると半分を占めることになるが、下位40%は総資産のわずか3%しか保有していない。

 所得が少ないと資産を形成することができず、まとまった資産がないと、資産価値の増大という富を効率的に増やす手法の恩恵を受けられないという図式だ。

 OECDでは、所得格差が生じる主な原因として、非正規労働者の増加をあげている。1995年から現在までの間に、OECD諸国で創出されたすべての仕事の過半数が、パートタイム労働や条件の悪い自営業などの形態であった。
 若年層がこうした労働形態になる割合が高く、これが所得を不安定にしている。男女間で賃金格差があることも格差拡大要因であるとの指摘だ。

 OECDでは、格差の過度な拡大は、長期的な成長の阻害要因であり、是正が必要であると主張している。格差の是非については様々な見解があるが、結果の不平等のみならず、機会の不平等につながっているようであれば、成長の阻害要因となることは明らかだろう。

 日本はOECD平均よりも所得格差が大きい。主要先進国で日本より格差が大きいのは英国と米国だけである。日本の場合、超富裕層の増加ではなく、貧困層の増加という下方向への格差拡大による影響が大きい。

 日本は所得再分配機能が充実していると思われてきたが、報告書では日本の所得再分配レベルは低いと指摘している。OECD加盟国で、日本よりも再分配機能が低いのは、チリ、韓国、アイスランド、スイスだけとなっている。
 日本の貧困率は、米国と並んで先進国では最低水準であることを考えると、所得再分配機能が低いというOECDの指摘は残念ながら的確といえるだろう。

 - 社会, 経済 ,

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