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ヤマダ電機の素早いリストラの背景には、村上ファンド系モノ言う株主の存在が

 

 家電量販店最大手のヤマダ電機は5月末までに約40の店舗を一斉閉鎖する。収益性の低い地方店舗を整理し、都市部への集中を進める。日本の人口動態の変化が量販店にも及んできた格好だが、店舗整理を急ぐ背景には、投資ファンド対策という側面もある。

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 ヤマダ電機の2015年3月期決算は、売上高が前年度比12%減の1兆6644億円、純利益が前年度比50%減の93億円となった。大規模な小売店において売上高が10%以上減少するというのは尋常ではない。
 これまで同社は、人口減少という構造的なマイナス要因を販促活動の強化でカバーしてきた。今期の売上高減少は、消費増税の反動減という側面も大きいが、こうした目先の対応策がいよいよ効果を発揮しなくなったと考えた方が自然だろう。

 閉鎖する店舗は商圏の小さい郊外型店舗が中心とみられる。こうした地方店舗を閉鎖する一方、年内をめどに、東京・八重洲に都市型店舗をオープンする予定。全国的な人口減少と地方からの流出に合わせ、人口が集約する都市部に店舗をシフトする。

 ヤマダ電機は5日、ソフトバンクと資本提携し、スマートハウス事業などを共同で進めていくと発表している。ソフトバンクがヤマダ株の5%を引き受けるというものだが、新株を発行するわけではなく、自己株式の譲渡という形になっている。

 ヤマダ電機は減益になったとはいえ、50%近い自己資本比率があり、今のところ財務的な基盤は問題ない。今回の資本提携は、財務的な要請というよりも、安定株主対策という見方が有力だ。

 昨年10月、投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」がヤマダ株を大量保有していることが明らかとなったが、同ファンドは現在も買い増しを進めており、筆頭株主になっているとみられる。

 エフィッシモは、村上ファンド出身者が設立したファンドであり、いわゆるモノ言う株主である。ヤマダ電機に対しては、店舗網の再構築など抜本的なリストラ策を要求する可能性が高い。
 今回の資本提携や不採算店舗の閉鎖措置は、ファンド買い占めへの対抗策である可能性が高い。エフィッシモの狙いは、ベストなタイミングでの売り抜けと考えられるが、皮肉にもヤマダ電機の素早いリストラ策を後押しした格好だ。

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