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世界競争力ランキングで日本は27位。上位常連の国と日本は何が違う?

 

 スイスのビジネススクールであるIMD(国際経営開発研究所)は2015年5月27日、2015年世界競争力年鑑を発表した。日本は27位となり前年から6位順位を下げた。ビジネス効率やインフラの部分での評価が下がったことが主な要因。

imd

 このランキングは、経済成長、政府の効率性、ビジネスの効率性、インフラという4つの分野で評価を行い、それぞれの結果を総合したもの。各分野にはそれぞれ70~120の詳細評価項目がある。
 日本は経済成長は25位から29位に、政府の効率性は42位と変わらず、ビジネスの効率性は19位から25位に、インフラは7位から13位になり、総合ランキングが下がった。

 こうしたランキングは、評価項目をどのように選択するのかで結果は変わってくるため、順位そのものを絶対視してもあまり意味はない。むしろ順位の変化に着目した方が有益な情報が得られる。

 たとえばインフラの部分では、基本インフラの整備状況に加え、科学技術、人材、環境など多くの評価項目が並んでいる。日本は2012年には17位になったこともあるが、2014年は7位に上昇しており、振れ幅が大きい。
 一方、総合順位が10位のドイツは同じ分野で過去5年の間に、7位から9位の間でしか順位が変動していない。ドイツはあらゆる分野に対してまんべんなく、そして継続的にインフラ投資を行っていることがわかる。

 総合1位の米国は5年連続でインフラ1位となっているほか、経済成長も5年連続1位である。総合順位が高い国は、各項目でのブレ幅が小さいという特徴がある。政府やビジネス界における戦略性の高さがこうした結果に反映されていると考えられる。ランキングの結果そのものよりも、こうした点を日本は参考にすべきだろう。

 一方、日本は経済成長や政府の効率性という分野では、順位が低く、しかもそれが5年間あまり変動していない。経済成長や政府の財政問題について、過去5年間、変化に乏しかったということがあらためて実感できる。

 ちなみに総合ランキングの結果は、1位が米国、2位が香港、3位がシンガポール、4位がスイス、5位がカナダとなっている。主要先進国では、ドイツが10位、英国が19位、フランスが32位、イタリアが38位であった。

 総合的な結果を見ると、総じて小国が有利であることが分かる。大国では米国が突出しており、次にドイツが健闘している。世界屈指の経済規模を持ちながら、小回りの利く小国と同水準の結果を出す両国から学ぶべき点は多い。

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