ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ドイツと米国の金利が急上昇。金利正常化プロセスなのか市場の混乱か?

 

 このところ各国の金利が急上昇している。4月中旬にはゼロ%まで近づいたドイツの長期金利は4月後半から急騰、6月に入って0.89%まで上昇した。ドイツの金利上昇を受け米国の長期金利も上昇している。

ecb201506

 現在、ECB(欧州中央銀行は)は量的緩和策の最中であり、ECBによる買い圧力で低金利が続いてきた。だがドイツの経済が好調であることや、ギリシャ問題が最悪の結果にならないとの観測が強まったことなどから、金利は上昇を始めている。

 米国はすでに量的緩和を終了しており、年内に利上げを実施する段取りとなっているが、一方で足元の景気鈍化を懸念する声も出ており、利上げの時期については微妙な状況にある。ドイツと米国の金利上昇はこれまでの低金利に対する反動なのか、両国の景気回復を織り込んだものなのか、市場は判断が付かずにいる。

 IMFのラガルド専務理事は5日、米国の利上げについて、来年まで先延ばしする方が経済にとってプラスであると異例の発言を行ったほか、ECBのドラギ総裁も、ボラティリティが高くなることに市場は対応する必要があるとの見解を示している。両氏もある意味で、十分な判断が付かない状況となっているのかもしれない。

  量的緩和策はいってみればデフレの輸出であり、為替を通じて実質的に米国にデフレ圧力を押し付けている。金利の上昇は、米国経済がこれらをすべて吸収し、さらに成長フェーズに入ったことを意味しているのかもしれないが、これまでの市場の動きに対する修正とも解釈できる。

 もし前者だとすれば、FRBの金利引き上げは市場の後追いとなり、ドイツの金利もファンダメンタルを反映したものとなる。逆に後者だとすれば、為替が円高に振れることも考えられるし、ドイルの国債は急激に買い戻されることになるかもしれない。

 4~6月期における米国の景気動向や、欧州全体の状況が見極められないと、市場も明確な方向性を見いだせないだろう。その意味で、ボラタイル(動きの激しい)な市場に慣れる必要があるとのドラギ総裁の発言は正しいかもしれない。

 - 経済 , , ,

  関連記事

shanhai
過大な期待や悲観は無用!中国市場に対する3つの誤解を解く

 近年、日本は中国という存在に振り回される状況が続いてきた。当初は巨大市場に乗り …

tosho02
上からの改革でROE向上を掲げる企業が急増。そのシワ寄せはどこに?

 ROE(株主資本利益率)の向上を経営目標に掲げる企業が急増している。これまで日 …

aso
麻生財務相が高橋是清の政策をモデルにと言及。その後の展開を知っての発言なのか?

 麻生財務相は2月3日、NHKの番組に出演し、デフレ対策として戦前の政治家である …

tosho02
アベノミクスによる株高で世帯貯蓄額が大幅増加。ただし恩恵は富裕層のみ

 総務省は2014年5月16日、2013年の家計調査報告(二人以上の世帯)を発表 …

bananki
バーナンキ前FRB議長が銀行から住宅ローンの借り換えを拒絶されたことの解釈は?

 米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ前議長が、住宅ローンの借り換えについ …

inakagurashi
田舎暮らしに憧れる都市部の若者が増加傾向。経済的要因が影響?

 内閣府は2014年8月11日、「農山漁村に関する世論調査」の結果を発表した。都 …

lottehoteru
ロッテグループのお家騒動で再び注目される、韓国の循環出資構造

 経営をめぐって創業家内部の争いが続いていたロッテホールディングスは2015年8 …

googlehead
グーグルは成長鈍化でいよいよ普通の会社へ。資本政策などの転換も必要?

 ネット検索大手米グーグルは2014年10月16日、2014年7~9月期の決算を …

sangiinabe01
総額5.5兆円の補正予算が可決成立。だが昨年より規模が小さく、効果は限定的

 参議院は2014年2月6日、消費税増税をにらんだ経済対策を柱とする2013年度 …

roujin03
イタリアで若者のために高齢者の早期退職を促す動き。だが社会全体の負担は増加?

 改正高齢者雇用安定法の施行によって、日本では生涯を通じて働くことが可能になって …