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ドイツと米国の金利が急上昇。金利正常化プロセスなのか市場の混乱か?

 

 このところ各国の金利が急上昇している。4月中旬にはゼロ%まで近づいたドイツの長期金利は4月後半から急騰、6月に入って0.89%まで上昇した。ドイツの金利上昇を受け米国の長期金利も上昇している。

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 現在、ECB(欧州中央銀行は)は量的緩和策の最中であり、ECBによる買い圧力で低金利が続いてきた。だがドイツの経済が好調であることや、ギリシャ問題が最悪の結果にならないとの観測が強まったことなどから、金利は上昇を始めている。

 米国はすでに量的緩和を終了しており、年内に利上げを実施する段取りとなっているが、一方で足元の景気鈍化を懸念する声も出ており、利上げの時期については微妙な状況にある。ドイツと米国の金利上昇はこれまでの低金利に対する反動なのか、両国の景気回復を織り込んだものなのか、市場は判断が付かずにいる。

 IMFのラガルド専務理事は5日、米国の利上げについて、来年まで先延ばしする方が経済にとってプラスであると異例の発言を行ったほか、ECBのドラギ総裁も、ボラティリティが高くなることに市場は対応する必要があるとの見解を示している。両氏もある意味で、十分な判断が付かない状況となっているのかもしれない。

  量的緩和策はいってみればデフレの輸出であり、為替を通じて実質的に米国にデフレ圧力を押し付けている。金利の上昇は、米国経済がこれらをすべて吸収し、さらに成長フェーズに入ったことを意味しているのかもしれないが、これまでの市場の動きに対する修正とも解釈できる。

 もし前者だとすれば、FRBの金利引き上げは市場の後追いとなり、ドイツの金利もファンダメンタルを反映したものとなる。逆に後者だとすれば、為替が円高に振れることも考えられるし、ドイルの国債は急激に買い戻されることになるかもしれない。

 4~6月期における米国の景気動向や、欧州全体の状況が見極められないと、市場も明確な方向性を見いだせないだろう。その意味で、ボラタイル(動きの激しい)な市場に慣れる必要があるとのドラギ総裁の発言は正しいかもしれない。

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