ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

小沢一郎氏の無罪が最終確定。一連の裁判は日本の民主主義の薄っぺらさを露呈した

 

 「国民の生活が第一」の小沢一郎代表に対する裁判で小沢氏の無罪が最終確定した。小沢被告を無罪とした東京高裁の判決に対し、検察 官役の指定弁護士は19日、最高裁への上告を最終的に断念した。約1年10カ月の期間を経て、小沢氏の正式な無罪が確定した。

 1審の東京地裁の判決では、政治資金収支報告書へのうその記載について、「小沢代表に違法性の認識がなかった可能性がある」と指摘していた。東京高裁も、これにならって指定弁護士の控訴を棄却していた。指定弁護士の大室俊三弁護士は記者会見を開き、上告を断念する理由として「事実誤認だけを理由にする上告は妥当ではない」との考えを述べた。

 今回の裁判は検察が不起訴としたものの、検察審査会という組織が2度にわたって小沢氏起訴を決議したことで強制起訴された珍しいケース。
 検察審査会は検察だけが持つ起訴権限に「民意」を反映させる目的で設置されたといわれている。だが審査員の人選や審査プロセスが非公開で進められ、一部では起訴に踏み切れなかった検察の意向が強く働いているのではないかという疑問の声も出ていた。

 検察審査会の内実はともかくとして、不起訴になった国会議員(しかも首相候補と呼ばれた重要人物)が2年弱も刑事被告人としての立場を強制されたという事実は重く受け止める必要がある。

 国会議員は普通の公務員とは根本的に立場が異なる。選挙で国民から選ばれ、法律というこの国の根幹となるルールを作成する権限を与えられた人たちである。三権分立という言葉があるが、ある意味でこれは正しくない。本来は立法権がもっとも上位にくるべきものだ。行政や司法という現実の権力(暴力を伴う)が立法権を奪うような事態が起これば、それは即、民主主義の死を意味するからである。

 極論すると、どんなに「悪い」政治家であっても、行政による逮捕、司法による断罪は最後の最後にしなければならない。国会議員への断罪は選挙での落選をもって行うべきものだ。それが本当の三権分立である。その意味で今回の小沢氏の一連の裁判は、日本の民主主義の薄っぺらさを露呈した一種の「暗黒裁判」といってよいだろう。

 - 政治, 社会

  関連記事

teninjikyu
カリフォルニア州の最低賃金は1700円へ。日本は人手不足なのに賃金下落の不思議

 米カリフォルニア州議会は2016年3月28日、最低賃金(時給)を15ドル(17 …

kokuritsukyogijo
創造か破壊か?新国立競技場のあまりの奇抜さと巨大さに各方面から異論噴出

 2020年の東京オリンピック開催が正式決定したことで、メイン会場となる新国立競 …

pfi
PFIが成長戦略の中核として急浮上。だがその実態はハコモノ行政の維持

 政府の成長戦略における中核的プランとして、民間資金を活用したインフラ整備(PF …

yamao
山尾議員のスキャンダルを有権者はどう受け止めればよいのか?

 民進党は2017年9月8日、山尾志桜里元政調会長から提出されていた離党届を受理 …

abekenpo
安倍政権が世論最優先のスタンスに転換。党内の力学バランスに変化か?

 与党内の力学関係に変化の兆しが出てきた。安倍首相が現行の憲法9条を残した形での …

ryounei02
中国が2隻目の空母建造を公式に明言。初の空母「遼寧」よりも一回り大型となる見込み

 中国海軍の宋学副参謀長は4月23日、北京で開かれた海軍創立64周年の記念式典に …

berurusukoni
イタリアの暴れん坊ベルルスコーニ元首相に有罪判決。収監は回避も政治力低下は必至

 イタリア最高裁は7月1日、脱税で起訴されていたベルルスコーニ元首相の上告を棄却 …

obamaegypt02
デモ排除で多数の死者が出ても、米国がエジプトへの軍事支援を簡単にやめられないワケ

 エジプトのモルシ前大統領を支持するデモ隊に対してエジプト軍が強制排除を行い多数 …

jinkousinzo
体内埋め込み型の人工心臓が仏で臨床試験開始。実用化できれば画期的

 フランスの医療器具メーカーであるCarmat社は2013年12月20日、体内埋 …

kigyoshakai
政府が働き方改革に本腰。だが皆があえて無視し続けるひとつの大きな問題

 政府が「働き方改革」に本腰を入れ始めている。日本企業の生産性が低いという事実は …