ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

足元で東大物価指数が急上昇。急激な円安で消費者がとうとう値上げを受け入れ?

 

 足元で物価が再上昇する兆しが見えてきた。東京大学が中心となって作成した東大物価指数が3年ぶりの上昇を示している。急激な円安で事業者側が値上げをしやすくなった可能性がある。

 東大物価指数は、全国の300店舗におけるPOS(販売時点情報管理)システムのデータを用い、日次で物価指数を算出するというもの。
 物価動向の分析には、総務省が発表する消費者物価指数を用いるのが標準的だが、東大物価指数は、POSを使っているので速報性が高く、販売の実態がより詳細に反映されることから、最近注目が高まっている。

bukkajoushou

 同物価指数は、2015年6月8日に前年比でプラス0.78%となった(数値は1週間の平均値)。これは2011年以来の上昇幅である。
 円安による輸入価格の上昇で事業者の利益率は減少が続いていたが、消費者心理が好転しないため、事業者はなかなか値上げに踏み切れなかった(価格をそのまま転嫁できるのは電力会社など、独占的な特権を持つ企業に限られていた)。事業者の中には、価格を据え置き、内容量を減少させる実質値上げで対応してきたところも多い。

 昨年4月の消費増税の前後には、増税分を考慮しても、消費者物価指数は上昇していたが、その後、値上げの動きは縮小。2015年に入ってからは、実質的な物価上昇率はゼロに近い状態が続いていた。

 今回の物価上昇が一時的なものなのかはまだ分からないが、もし継続的なものだとすると円安による心理的影響が大きいかもしれない。
 消費者の多くは、内容量を減少させる実質値上げが続いていることを理解しているが、名目上の値上げは受け入れられなかった。しかし、一時、1ドル=125円台まで達した今回の円安は、消費者の心理を大きく変えた可能性がある。
 消費者が名目上の物価上昇を受け入れ、事業者がその雰囲気を察知した上での値上げということであれば、この動きは今後、加速する可能性がある。

 現実に国内の物価上昇が再スタートした場合、行き過ぎと思われていた為替レートに現実の物価が追い付くことになり、結果的に円安が正当化される。物価動向をしばらく注視しないと確実なことは分からないが、物価と為替を取り巻く環境が大きく変わった可能性は考えておいてよいだろう。

 - 経済 ,

  関連記事

nissangone02
日産が主力部品メーカーをファンドに売却。自動車業界はいよいよ再編に向けて動き出す

 日産が系列の部品メーカーであるカルソニックカンセイを売却すると発表した。これま …

appleTV
アップルが大型TVを開発中?シャープが液晶を受注するためには鴻海の傘下入りが必須?

 米アップルが台湾の鴻海精密工業と共同で大画面TVの開発を進めているという。米ウ …

usakoyoutoukei201401
米1月の雇用統計は今ひとつ。失業保険給付打ち切りが失業率を下げた可能性が高い

 米労働省は2014年2月7日、1月の雇用統計を発表した。先月の雇用統計があまり …

nyse
ダウの高値更新でバブル論。だが、米国がバブルだというなら、日本はもっとバブルだ!

 3月6日のニューヨーク株式市場は、前日に続いて史上最高値を更新した。雇用指標が …

top1zentai
トップ1%が全世界の富の半分を独占との調査結果。日本はどうなのか?

 貧困の撲滅活動などを行っている国際NGO「オックスファム」は2015年1月19 …

no image
アメリカで旅客機の座席が外れる事故が連続発生。不可解なトラブルに首をかしげる

 米国アメリカン航空で、2件立て続けに座席が床から外れるという考えただけでも恐ろ …

factory01
製造業の就業者が減少との調査結果。だが減っているのは製造業だけではない

 総務省は2月1日、2012年12月分の労働力調査の結果を発表した。それによると …

tosho03
目立ってきた為替と日経平均の乖離。どちらが実体経済を表している?

 日経平均と為替相場の乖離が大きくなっている。量的緩和策の実施以降、基本的に日経 …

zenjindai2014
中国で全人代が開催。中国が抱える問題はバブル後の日本にさらに酷似

 中国における今後1年間の重要政策を議論する全人代(全国人民代表大会)が2014 …

nichigin02
日銀の量的緩和策は果たして効果を上げているのか?米国のQEと比較してみると

 日本銀行は8月8日、金融政策決定会合を開催した。量的緩和の継続を全員一致で決め …