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内閣府の世界経済に関する報告書。原油安がプラスの影響をもたらし、米国・欧州経済の拡大が続く

 

 内閣府は2015年6月13日、世界経済の現状に関する報告書「世界経済の潮流(2015年上半期)を公表した。昨年から進んだ原油安が、米国など先進国の消費にはプラスに作用したと分析。今後は、米国の景気拡大と欧州の持ち直しなどによって、しばらくは穏やかな回復が続くと予想している。

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 報告書は上半期における最大のポイントとして原油安をあげている。1バレルあたり100ドル前後だった原油価格は昨年半ば頃から急激に下落し、現在は60ドル程度になっている。
 原油安は、産油国に打撃を与え、石油消費国にはプラスとなる。米国を除くと、先進国は総じて石油消費国であり、先進国の経済規模が圧倒的であることから、全世界的には原油価格の下落はプラスの効果をもたらす。

 米国はガソリンの消費量が多く、原油価格の下落は、そのまま消費拡大に結びつきやすい。報告書では、原油安によって米国の消費は1%増加したと試算している。また、米国の貿易収支が国内総生産(GDP)比で0.8%改善、日本の貿易収支は1.7%改善した。これによって、全世界的なGDPは、0.5%から0.7%上昇したと考えられる。

 ただ企業収益については、エネルギー関連の企業が多い米国において、多少のマイナス要因となっている。設備投資の額は、エネルギー関連企業の抑制によって下振れしている。

 今後の動向については、米国経済の好循環が続いていることから、景気の回復が続くと見ている。欧州も物価下落によって実質賃金が増加しており、個人消費の持ち直しが期待できるとしている。全体的には穏やかな回復基調が続くという判断だ。

 最大のリスク要因は、好調な米国経済と表裏一体だが、米国金利の上昇である。米国の政策金利の引き上げで、新興国から資金流出が発生するリスクがあると指摘している。また、米国の金利上昇が想定以上だった場合には、米国の住宅投資や設備投資にも影響があるとしている。

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