ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

6月のFOMC、年内利上げは変わらずも時期は明言せず。不安要因は過度なドル高

 

 FRB(連邦準備制度理事会)は2015年6月17日、FOMC(連邦公開市場委員会)において、現状の金融政策の維持を決定した。注目されていた利上げの時期については明言しなかった。

ieren03

 米国では年内に利上げが行われるとの見方が大勢を占めている。ただその時期に関する見方は割れているというのが現状だ。
 米国の2015年1~3月期のGDP成長率はマイナスとなり、一時は米国経済が踊り場に差し掛かっているとの認識が広がっていた。しかし、その後、雇用統計など良好な指標が続いたことから、景気拡大の継続が鮮明になってきた。FRBも、1~3月の減速は一時的なものであると解釈しており、米国経済は穏やかな拡大が続いているというのが、基本認識である。

 イエレン議長は、利上げの時期について「年内というのが今の時点では最も適切」とし、年内利上げというスタンスをあらためて明確にした。一方で「経済指標次第」とも述べており、時期については流動的であること強調している。

 これまでは9月利上げという説が濃厚だったが、今回のFOMCによって状況は少し変わったかもしれない。FOMCメンバーの政策金利見通しでは、2015年末時点の政策金利が1.0%以上になるとの予測はなくなり、0.25%から1%の間でバラツキが大きくなった。金利の見通しは引き下げられたと考えてよいだろう。

 仮に9月に利上げが実施されるということになっても、その後はしばらくは金利引き上げを見送ったり、極めてゆっくりとしたペースで利上げを継続する可能性が高くなった。

 為替市場では米国の金利上昇を見越してドル買いが先行している。だが、各国の緩和策のツケがドル高という形で米国に集中しており、これが米国の期待インフレ率を下げる結果となっている。
 FRBはインフレ率低下への懸念から早期利上げを躊躇する状況であり、一種の悪循環となってしまっている。

 予定通り、年後半に米国が利上げに踏み切れるかどうかは、今後の経済指標次第だが、為替市場がもたらす影響はより大きくなってきている。これ以上の過度なドル高の進行は、米国の金利正常化にとって逆風となるかもしれない。

 - 経済 , , ,

  関連記事

merukeru03
最低賃金がないドイツの貧困率が日本よりもはるかに低い理由とは?

 圧倒的な支持率で総選挙を勝ち抜き、3期連続で首相の座についたドイツのメルケル首 …

kanntei
2020年度の財政黒字化は困難との内閣府試算。消費税15%以外に方法はないのか?

 政府は8月8日、閣議を開催し財政健全化の道筋を示す「中期財政計画」を閣議了解し …

jinmingen
台湾と中国で人民元の直接取引が解禁。中国が狙うのは緩いアジアの人民元経済圏

 中国の人民元と台湾ドルの直接取引が6日、解禁された。台湾では、現地の銀行が米ド …

fudosanchirasi
不動産取引のネット解禁論争が過熱。第二の大衆薬論争に?

 非対面での不動産取引の是非をめぐって、ネット解禁派と保守派との対立が激しくなっ …

sbtakasago
ソフトバンクが電力小売に向け本格始動。電力自由化の本当の意味とは?

 ソフトバンク・グループが電力事業に向けて本格的に動き出した。2014年2月17 …

no image
ドイツの財政が絶好調。税収増加のカギは、やはり企業の競争力と経済成長にあり

 ドイツの財政状況が絶好調だ。2012年の税収(国と地方の合計)は6024億ユー …

caterpillar002
世界経済を反映する米キャタピラーの決算。2014年の成長は穏やかになる見込み

 米建設機械大手のキャタピラーは2014年1月27日、2013年10~12月期の …

bouekitoukei201403
3月の貿易赤字は1兆4463億円。赤字拡大のトレンドは継続している

 財務省は2014年4月21日、3月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し …

trumpgikai
トランプ大統領の議会演説は想定通りで市場には安心感。ただ減税額は調整が必要か?

 トランプ米大統領は2017年2月28日、米議会において初の演説を行った。総額1 …

nihonen
円高が止まらない。政策の手詰まり状態を市場は見透かしている?

 為替市場で急速な円高が進んでいる。欧州で英国のEU(欧州連合)離脱への警戒感が …