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香港の議会が非民主的な選挙制度改革案を否決。普通選挙は少なくとも2022年まで持ち越し

 

 香港の立法会(議会)は2015年6月18日、2017年に行われる次期行政長官選挙に関する制度改革案を否決した。これで普通選挙の実施はすべて白紙に戻ったことになる。

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 従来の行政長官選挙は間接選挙制となっており、事前に中国側の承認を得た候補者を選挙委員会の投票で選出する仕組みになっている。選挙委員会のほとんどは親中派が占めるため、民主派は事実上、行政長官になれない状況が続いていた。

 香港内部ではこうした状況に対する不満の声が高まっており、2017年の選挙に向けて民主的な選挙を求める声が高まっていた。
 中国政府は選挙制度の改革を約束したものの、中国の国会にあたる全人代(全国人民代表大会)常務委員会は2014年8月、実質的に民主派の立候補を制限する選挙制度改革案を決定した。これに対して、香港の学生や民主派が猛反発し、昨年の大規模デモにつながった。

 今回、立法会に提出されていた法案は、全人代が決定した内容とほぼ同じであり、中国政府の意に沿わない人物が長官に立候補するのは事実上不可能な仕組みとなっている。民主派が反対するのは以前から予想されていた。

 ただ、実際に採決の段階になると、親中国派の一部が退席したほか、親中派の議員1名が反対票を投じた。親中派議員の退席は、事前に周知徹底されたものではなかったようで、退席に躊躇する議員も見られたという。香港市民の民主化要求が強く、親中派議員の中にも混乱が生じていることをうかがわせる。

 もっとも、選挙制度改革案が否決されたことで2017年の選挙は従来通り、非民主的な方法で行われることになった。親中派が行政長官に選ばれることは確実であり、少なくとも2022年の長官選挙までは普通選挙は実施されないことになる。香港社会の分断は長期化することになるだろう。

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