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仏の経済危機突入で、欧州最後の公務員天国にもいよいよメスが

 

 欧州債務危機の本丸として、フランスに市場がターゲットを定めつつある。先日は英国の有力経済誌エコノミストが「フランスは欧州の時限爆弾」であるとのセンセーショナルな特集を発表し、市場で大きな話題となった(本誌記事「仏経済の赤信号がきかっけ?タブーだったラテンvsゲルマンの民族対立が表面化」参照。
 フランス経済で特に問題視されているのが、突出した労働コストの高さと肥大化した公務員制度。自国には甘いフランス国内のメディアも、行政予算のムダ使いにようやく厳しい目を向け始めている。

 オランド大統領は向こう5年間で総額600億ユーロの歳出削減を決定したが、歳出削減の要求波中央政府だけはなく地方政府にも向けられている。フランスの地方自治体は総数が約3万7000と欧州でも突出して多い。地方自治体の総予算は年間約900億ユーロ。このうち4割を占める人件費は年々上昇しており、7年間で20%も増大した。

 また日本と同様、ハコモノのムダ使いも多い。リヨン市では河川整備の一貫として展示館を併設し80万ユーロもの金額を支出した(写真)。中身はというと、ただ完成予想写真が並んでいるだけというシロモノだ。
 またカンヌ市では治安強化のためという名目で警察官を25%も増員、別の自治体では建物の電気代や受付要員の支出が数年間で50%も増加しているという。

 日本でも総務省の主導で、自治体機能の集約と共同化が進められているが、同様の施策を行っているフランスではまったく効果を上げていない。複数の自治体で共有するサービス機能ごとに新しい職員や専門家を雇用し、人件費が減らないのである。ひどいところでは、音楽担当の専門家、トレッキングコース担当の専門家などを個別に雇用する始末。公務員は基本的に仕事をしないので、すべてを外部に丸投げしてしまうのだ。

 日本でも公務員が直接作業すればよいものを、わざわざ人材派遣会社に丸投げするケースが相次いでいる。見かけ上の公務員の数は増えないが、予算だけが膨張する仕組みで、当の公務員は相変わらず仕事をしないという状況が続く。

 公務員にとって楽園であったギリシャ、スペインが相次いで市場の餌食となり、とうとう欧州最大の公務員天国であるフランスにその矛先が向けられている。これらラテン圏諸国が置かれている状況はまさに日本の近未来である。日本に残された時間は少ない。

 - 政治

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