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財政再建は経済成長頼みで結論先送り。肝心の成長戦略は弾切れ状態

 

 政府は2015年6月30日、経済財政運営の基本方針「骨太の方針」と新しい成長戦略を閣議決定した。財政面での焦点となっていた歳出上限は盛り込まれず、経済成長重視の姿勢が鮮明になった。だが、肝心の成長戦略は内容が乏しく、期待通りの成長と税収増を実現できるのか疑問の声も上がっている。

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 骨太の方針をめぐっては、政府内部において、財政規律を重視する立場と、景気対策を優先する立場で調整が続いてきた。政府は2020年に基礎的財政収支を黒字化するという公約を掲げているが、現状では黒字化はほぼ不可能な状況にある。

 黒字化実現のためには、高い経済成長を実現し税収が大幅に増えるか、消費税を10%以上に増税するか、あるいは歳出を大幅に削減するしか方法はない。安倍政権では10%以上の消費増税を封印したので、この選択肢はない。また歳出削減については社会保障費の大幅削減が避けられないため、こちらも及び腰だ。結局のところ、経済成長にかけるという選択になった。

 財政規律派は、歳出の上限を設定するよう求めていたが、公共事業の増額を望む議員の反対で見送りとなった。代わりに、2018年度の基礎的財政収支の赤字をGDPの1%にする、2018年度までの一般歳出の伸びを1.6兆円にとどめるという「目安」が提示されたが、あくまで目安であり、これを守る必要はない。

 また、経済成長を重視するといっても、そのハードルは極めて高い。税収増で財政再建を達成するためには、名目で3%、実質で2%以上の高成長が継続する必要があるが、よほどのことを実施しないとこの数字を達成するのは困難だろう。

 頼みの綱となるのが、成長戦略ということになるが、これが非常に心許ない。安倍政権が成長戦略を提示するのは3回目だが、今回は完全に弾切れを起こしてしまっている。唯一具体的な施策となっているのが、サービス産業の生産性向上だが、状況は厳しい。
 成長戦略では、女性労働力の活用やIT化などによって「生産性革命」を起こすとしている。企業の新陳代謝を活性化せずに、生産性を上昇させることはほぼ不可能であることを考えると、今の日本でこれを実現できる可能性は極めて低い。

 結局のところ、2018年度の中間地点で再度、2020年度に向けた検証を行うことになる可能性が高く、実質的に議論を2年先送りしたと解釈するのが自然だろう。

 好調な米国経済を背景に製造業の好業績が続いている。また循環的側面から内需も回復しつつあるが、こうした状況は楽観論を加速させることにつながる。金利の上昇を抑え続けることができれば、当分の間、現状維持は可能かもしれないが、それは本質的な解決策ではない。

 - 政治, 経済 ,

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