ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

IMFが最新の世界経済見通しを発表。ギリシャ問題と中国問題は反映されておらず、さらに下押しか?

 

 IMF(国際通貨基金)は2015年7月9日、世界経済見通しの改定値を発表した。2015年の世界経済の成長率予測は、物価変動の影響を除いた実質でプラス3.3%となり、4月時点の見通しから0.2ポイント引き下げられた。

imf201507

 IMFでは毎年4月と10月に世界経済の見通しを発表しているが、7月と1月に見通しの改定値を出している。今回の発表は2015年4月における見通しの改定値ということになる。
 世界経済の見通しが引き下げられたのは、米国の1~3月期の成長率が寒波の影響などで低い水準にとどまったことや、新興国の経済が減速していることなどが主な要因。

 米国の成長率見通しは、0.6ポイント引き下げられてプラス2.5%になった。このところ米国経済だけが世界経済を牽引するという状態だったことから、米国の成長鈍化は、そのまま世界経済の鈍化につながってくる。
 同様に英国も0.3ポイントの低下でプラス2.4%に、日本も0.2ポイント下がってプラス0.8%となる見込みである。日本については、米国失速の影響もあるが、物価が思いのほか上昇していないことが、見通し引き下げに大きく影響している。

 今回の改定値では、ユーロ圏と中国の見通しは引き下げられていない。ユーロ圏の2015年の見通しはプラス1.5%、中国はプラス6.8%のままである。ギリシャ債務問題や中国株の大幅な下落は、今回の改定値に反映されておらず、この二つの問題が世界経済に影響を与えると判断された場合には、次回の見通しは大きく変わってくることになるだろう。

 ただ、ユーロ圏全体の経済状況は比較的堅調であるとIMFでは見ているほか、ギリシャ債務問題はマーケット的には織り込み済みとなっている。中国の景気失速がこれ以上、顕著にならなければ、ここからさらに大幅な下方修正となる可能性は低いかもしれない。

 各国共通の材料としては原油価格の動向がある。原油価格は一旦底を打ったと思われており、これが物価見通しにも大きく影響してきた。だが中国株の下落などによって再び原油価格に下押し圧力が高まっている。 
 原油価格が再び低迷するような状況となれば、長期的には先進各国にメリットをもたらすものの、短期的には物価下落によってインフレ率を低下させることになる。やはり世界経済における成長率の下押し要因となるだろう。

 - 経済 ,

  関連記事

kadokawadowango
KADOKAWAとドワンゴが経営統合。相互補完的でプラスになる可能性

 角川書店を中心とするメディア企業のKADOKAWAと、動画配信大手のドワンゴが …

bukkajoushou
物価は何と7カ月連続のマイナス。一方、消費は物価にかかわらずやはりマイナス続き

 このところ物価が厳しい状況に追い込まれている。消費者物価指数が何と7カ月連続の …

swissnb
スイス中銀が突然の為替上限撤廃。ECB量的緩和策直前という最悪のタイミング

 スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行が、自国通貨高を抑制するための為替上限を …

eads
欧州の防衛大手EADSが大リストラ。防衛産業もIT化の流れには逆らえない

 エアバス社の親会社で、欧州の航空宇宙最大手のEADSは2013年12月9日、宇 …

ekishoutv
TVなどの電子機器販売が壊滅状態。もはや電機メーカーは農業やゼネコンと同じ

 電子情報技術産業協会(JEITA)は21日、1月の民生用電子機器(AV機器、車 …

businessman02
消費税を増税した途端に景気減速?7~9月期のGDPは前期よりも落ち込む可能性大

 2013年11月13日に公表予定の7~9月実質GDPの数値は、好調だった4~6 …

gold04
金価格の暴落でスイス中銀が評価損を計上。ドル高によって、金価格は低空飛行が続く

 スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行は、2013年の決算で約90億フラン(約 …

detroit
米自動車産業は奇跡の復活を遂げたのに、なぜデトロイト市は破綻したのか?

 GM(ゼネラル・モーターズ)やフォードなどが本拠を構える自動車の街、米デトロイ …

sirakawajinin
日銀の白川総裁が任期を残して辞任表明。これ以上の譲歩を避ける狙いか

 日銀の白川総裁は2月5日、安倍首相と官邸で会談し、4月8日の任期を待たず、3月 …

newyork02
米国で良好な経済指標が相次ぐ。再び早期の出口戦略論が台頭か?

 米供給管理協会(ISM)が8月1日に発表した7月の製造業景気指数は前月の50. …