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イランが核問題で米欧などと最終合意。世界経済の安定化要因がまたひとつ増えた

 

 米欧など6カ国とイランは2015年7月14日、イランの核開発問題について最終合意に達したと発表した。イランの核開発を大幅に制限する代わりに、イランに対する経済制裁を解除する。

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 最終合意では、イランの核開発は今後15年にわたって大幅に制限されることになる。現在イランが保有しているウラン濃縮用の遠心分離機は5000基程度に削減され、ウラン濃縮には上限が設定される。
 核兵器の製造には極めて高い濃縮度が必要となるが、一般的な軽水炉の運転は3%台の濃縮でよい。イランがこの合意を守った場合には、核兵器の開発はできなくなり、民生用の核燃料しか製造できない状況となる。研究開発は継続されるが、実質的に核兵器の開発は放棄したと考えてよいだろう。

 またイランは、IAEA(国際原理力機関)による査察も全面的に認め、原則としてすべての施設に対するによるIAEAの査察が可能となった。こうした措置をイランが受け入れる代わりに、イランに対する経済制裁を解除する。

 イランはこれまで各国の経済制裁によって、自動車の修理部品を入手するにも事欠く状態となっていた。制裁が解除されれば、イランの経済は一気に活性化する可能性が高い。最近では経済制裁の影響で生産量が落ちているが、イランは、潜在的にはサウジアラビアに次ぐ石油産出量を持つ国である。制裁の解除によって石油の大幅な増産も予想される。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、米国とイランの合意について激しく批判しており、今回の合意には不完全な点が多数あると指摘している。
 確かに、今回の合意では、核兵器の開発疑惑がある軍事施設について査察の対象となっているかどうか明記されていない。IAEAはすべての施設を査察することができるが、事前の告知が必要であり、完全性を担保するものではない。

 テクニカル的には不安材料が残るものの、今回の合意が正式に発動となれば、国際政治的には中東の安定化が進展する可能性が高い。イスラエルの孤立化は避けられない状況だろう。

 米国はキューバとも国交回復を実現するなど、敵対する国々との和解を進めている。政権末期に近づいたオバマ大統領の実績作りという部分を割り引いたとしても、一連の対話外交は世界経済の安定化要因になることは間違いない。

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