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個人経営の事業所の8割は後継者がおらず、パソコンの導入がほとんど進んでいない

 

 総務省は2015年7月10日、2014年の個人企業経済調査(構造編)の結果を発表した。個人経営の事業所の約7割が年齢が60歳以上となっており、後継者を確保できていない。また、パソコンの普及率が極めて低く、ITを使った生産性の向上が実現できていないことも明らかとなった。

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 日本国内には個人経営による事業所が約240万存在している。こうした個人経営の事業所は、製造業や卸、サービス業といった分野で重要な役割を果たしている。大企業の業績回復も重要だが、こうした個人事業の環境が好転しなければ、日本経済全体の底上げは難しい。

 だが個人事業所における経営環境はかなり厳しいというのが現実のようだ。調査対象となっている製造業、卸・小売、宿泊・飲食、各種サービスという4つのカテゴリーのうち、3つのカテゴリーにおいて、7割以上の事業主の年齢が60歳を超えている。
 また後継者がいないという事業所は、製造業で82.3%、宿泊・飲食で84.4%に達している。多くの事業所がこのままでは廃業する結果となってしまう。

 パソコンの利用状況に関する項目では、パソコンを使用している事業所の割合が、もっとも高い卸・小売で43.6%にとどまり、宿泊・飲食ではわずか20.1%だった。高齢化が進んでいるので、パソコンの保有割合が低いと思われがちだが、必ずしもそうとは限らない。
 同一条件で比較した調査結果はないが、1人あたりのパソコン保有台数が米国の2分の1しかないという状況を考えると、事業主の年齢に関わらず、小規模事業におけるIT化の度合いが米国に比べてかなり低い可能性がある。

 日本は生産年齢人口が減っており、このままでは供給制限によって経済成長が阻害されることにもなりかねない。こうした事態を防ぐには、ITをフル活用した合理化が必要だが、日本のパソコン普及率は低い状況が続いている。
 個人事業主の高齢化に伴って市場からの退出が増えると思われるが、ITを活用できる人材へのスムーズな事業継承が求められる。

 単純に後継者難を解消することだけを考えるのではなく、経営主体が変わったとしても、地域全体として同一の機能が継承され、かつ生産性の向上を実現できるような支援策が必要だろう。

 - 社会, 経済 , ,

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