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4~6月期決算が絶好調なのに、アップルの株価が大幅下落となった理由

 

 米アップルは2015年7月21日、2015年4~6月期の決算を発表した。売上高は前年同期比32.5%増の496億500万ドル(約6兆1500億円)、純利益は37.8%増の106億7700万ドル(約1兆3200億円)と大幅な増収増益となった。
 前期に引き続いて中国向けiPhoneの売上げが好調であることが主な要因だが、注目のアップルウオッチの販売状況が明確にならなかったことから、株価は大幅に下落してしまった。

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 主力製品であるiPhoneの販売台数は前年同期比35%増の4753万台、iPadは逆に17.6%減の1093万台となり、iPhoneへの依存度がさらに高まった。iPhoneの販売単価は上昇しており、中国市場拡大による利益率の減少は発生していない。会社全体の製造原価も同一水準を維持できている。

 業績そのものはまさに絶好調なのだが、決算発表後の株式市場において同社株は暴落、一時は下落幅が8%に達した。株価が下落した最大の理由は中国向け市場の見通しとアップルウオッチの販売動向である。

 同社は決算と同時に、7~9月期の業績見通しを発表したが、これが市場予想を大きく下回った。同社の業績は中国市場の拡大にかかっているが、現在、中国経済は大幅な失速が懸念されている状況である。
 失速といっても、これまで実質ベースで10%成長だったGDP(国内総生産)が6~7%に落ちるということであり、市場の拡大が続いていることに変わりはない。ただ中国人にとってiPhoneはまだまだ高額商品であり、中国経済の鈍化というニュースが市場に与える印象はよくない。

 また同社は、注目されていたアップルウオッチの販売状況について数値を公表しなかったが、これも一部の投資家をがっかりさせた。

 アップルウオッチは決算資料において「その他製品」に分類されているが、前期からの増収分をすべてアップルウオッチと仮定し、価格を500ドルとすると、推定販売台数は190万台になる。
 同社はアップルウオッチの販売に強気の見通しを立てていたといわれており、今期の決算で300万台に達するとの見方もあった。190万台という数字が本当であれば、まずまずの結果だが、市場の期待値があまりにも高かったことから、失望売りを誘ってしまったようだ。

 以前から指摘されていることだが、同社の業績と株価に対する期待値の高さが、いろいろな意味で同社の経営の足かせとなりつつある。今期の決算で、同社の手元流動性(現金や換金性の高い金融商品など)はとうとう2000億ドルを突破した。同社は一時、キャッシュ余剰が投資家から批判されたが、同じ問題が再び議論の対象となるかもしれない。

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