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2016年度予算を閣議了解。要求額は昨年度と同様100兆円超えか?

 

 政府は2015年7月24日、2016年度予算の概算要求基準を閣議了解した。昨年と同様、通常の要求額に上乗せして優先課題枠を要望できる形となっており、各省からの要求総額は2年連続で100兆円を突破する見込み。財政再建が求められているが、要求の大型化に歯止めがかからない状況が続く。

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 政府の予算は、8月末に各省が必要な予算額を記載した概算要求を提出し、財務省がこれを査定する形で編成が進められていく。概算要求基準とは、各省が予算要求するためのルールで通常は7月に提示される。これまでは概算要求基準に歳出の上限を示すことで、各省による際限のない予算要求を防ぐ役割があった。

 だが安倍政権が成立してからは、変則的な手法で予算編成が進められている。予算には各省の裁量で増減が可能な裁量的経費と年金など支出があらかじめ決まっている義務的経費の2つがある。裁量的経費については、上限が設定された通常の要求枠に加えて「新しい日本のための優先課題推進枠」と名付けられた特別枠があり、4兆円程度まで増額要望することが可能となっている。

 これは消費増税を控え、税収見通しが確定できない中での予算編成手法として編み出されたものだが、消費増税の決定後も同じやり方が続いている。予算総額での上限値が設定されないため、要求額が肥大化しやすい。

 政府は2020年度までに基礎的財政収支を黒字化するという公約を掲げている。22日には経済財政諮問会議において、中長期の財政試算が示されたが、2020年度における基礎的財政収支は6.2兆円の赤字となる見込み。
 税収が上振れしていることから、今年2月の試算(9.4兆円の赤字)からは約3.2兆円ほど赤字幅が縮小したが、それでも黒字化の達成は難しい。

 もっとも昨年度(2015年度)予算は100兆円を超える要求額に対してかなりの減額が行われ最終的には96兆3420億円に落ち着いた。多くの省の予算額が前年度比マイナスになったことや、最大の支出項目である社会保障費の伸びを抑えたことが主な要因。景気回復で税収が増加したこともあり、国債依存度は低下している。

 財務省は昨年に引き続き、財政再建を優先したい考えであり、概算要求基準では社会保障費は6700億円の増額に抑える方針が示された。だが、景気対策を求める声は大きく、各省の要望額は大きくなる可能性が高い。最終的な政府案の決定まで予算をめぐる攻防が続きそうだ。

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