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盤石の安倍政権に黄色信号。日本市場における政局リスクが徐々に顕在化

 

 日本の株式市場に政局リスクが浮上し始めた。内閣支持率が急落していることに加え、8月17日に公表予定の4~6月期GDP(国内総生産)がマイナスになる可能性が出てきたからだ。アベノミクス相場は、安倍政権に対する高い支持率で担保されてきた面があり、政局が不安定になると、株価上昇のスパイラルが一気に崩れてしまう可能性がある。

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 このところ内閣支持率の急落が目立つ。読売新聞の世論調査では、内閣支持率は43%となり、とうとう不支持との比率が逆転した。
 朝日新聞の世論調査では支持率が40%を下回っている。支持率40%は非常に重要な節目であり、これを下回ると、その政権が延命することは難しいといわれる。安保法制への対応が支持率低下の原因だが、現実問題として安倍政権はこれを成立させる以外に選択肢がなく、今後、支持率低下にさらに拍車がかかるかもしれない。

 今後の政治日程も安倍政権にとっては向かい風だ。安倍政権は、戦後70年の談話について、総理大臣の私的談話という形に落ち着かせる方針といわれている。これは各方面に配慮した形であり、ウラをかえせば、強行突破できない環境にあるというサインともいえる。

 これに加えて、真偽の程は定かではないが、8月15日に天皇陛下がお詫びの談話を発表するという報道も出ている。もしこれが本当なのだとすると、安倍政権の従来の歴史認識が全否定される状況にもなりかねない。さらにタイミングが悪いことに、8月17日には4~6月期のGDPが発表される。

 民間エコノミストの中にはマイナス成長を予想する人もおり、よい数字にはならない可能性が高い。消費や設備投資は堅調だが、輸出の伸びが小さかったことがGDPの足を引っ張っている。経済に対する現実的なインパクトはともかく、マイナス成長という響きは政治的には明らかにネガティブ材料だ。

 安倍政権と互角の力を持つ党内勢力は今のところ存在しないので、一連の政治日程がただちに政局リスクに変わる可能性は低い。
 だが、市場はこれまで安倍政権が長期にわたって政権の座にあることを前提にシナリオを組み立てていた。円安による輸入価格の上昇に賃金は追い付いておらず、国民の実質的な生活水準は低下している。それでも株式市場が堅調なのは、安倍政権に対する高い支持率によって、アベノミクス路線が担保されていたからである。

 支持率の低下によって、こうした見通しに変化が生じつつあることは間違いなく、中期的には思わぬ市場の波乱要因となりそうだ。

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