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TPPは最終合意に至らず閉幕。今後の政治日程は極めて厳しい

 

 環太平パートナーシップ協定(TPP)閣僚会合は2015年7月31日、最終合意に至ることなく閉幕した。参加国は8月中にも閣僚会合を再開するとしているが、今後の政治日程を考えると、状況はかなり厳しい。

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 ハワイで行われた今回の閣僚会合は、米国の大統領貿易促進権限(TPA)が議会で可決されたことから、交渉の進展が期待されていた。とりまとめ役の米国が、議会のことをそれほど気にせずに交渉を進めることが可能となったからである。
 開催前までは、日米間における農作物の関税が主な焦点になると考えられていた。しかしフタを開けてみると、新薬の開発データ保護期間や乳製品などの分野で調整が進まず、日米の政治決着の段階に至らずに交渉が頓挫してしまった。

 特に乳製品については、ニュージーランドが市場開放を強く求めており、日本がこれに強く反発、さらに同国は、新薬データ保護期間の短縮を米国に求めたことから妥協点の模索が困難となった。日米間では本格的な交渉は行われなかった模様。

 各国は8月にも閣僚会合を再開するとしており、甘利経財相は「次の閣僚会合で決着できるのではないかと思う」と発言している。
 しかし今後の政治日程を見ると状況は厳しい。仮に8月に決着となったとしても、日本が秋の臨時国会でTPPを批准するのは難しく、来年の通常国会まで持ち越される可能性がある。来年夏には参院選が控えており、政府与党内の調整は時間が経つにつれて困難となる。

 選挙という点では米国も同じである。TPAでは大統領が署名する90日前までに議会に通告する必要があるとしており、8月以降の妥結では、年内の批准が難しくなる。しかし来年は、大統領選挙の前年となり、政治的な動きが活発になる可能性が高い。そうなってくると米国側は議会を強く意識せざるを得なくなり、米国が妥協できる余地が減ってしまう。
 8月に妥結できないという事態となれば、大統領選挙後に仕切り直しというシナリオも浮上してくるかもしれない。

 従来の多国間交渉では、最終的には米国の意向で大筋の妥結に至るケースが多かった。だが、米国は以前のように他国のことにあまり関心を払わなくなっている。エネルギーの自給が可能となり、人口増加で内需主導の成長を容易に実現できるからである。ある程度妥協しても、国際貿易の分野で主導権を握るというスタンスはすでに放棄したと見てよい。

 TPPは今後進められていく、グローバルな自由貿易構想のひとつのステップでしかない。近い将来、中国が自由貿易構想に入ってくることは確実であり、米国と欧州は、米欧FTAの締結を模索している。
 今回の交渉決裂は、米国という「超大国」はもはや存在しないことが背景となっているが、これは、今後の多国間交渉の先行きを暗示しているのかもしれない。

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