ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ビットコイン消失事件をきっかけに、規制強化の動きが高まっているが・・・

 

 仮想通貨ビットコインが大量消失した事件に関し、取引所運営会社社長が逮捕されたことで、国内でもビットコインに対する規制強化の動きが広がっている。

bitcoin
 警視庁は2015年8月1日、仮想通貨ビットコインの取引所運営会社「MTGOX」の社長、マルク・カルプレス容疑者を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕した。カルプレス容疑者は社内のシステムを不正に操作し、利用者から預かったビットコインの残高を改ざんし、自身の口座残高を水増していた疑いが持たれている。

 この事件を受けて、国内ではビットコインに対する規制強化の声が高まっている。麻生財務大臣は4日の記者会見において「利用実態をよく踏まえ、対応の在り方について検討を進めていかないといけない」とコメントした。

  実は、6月にドイツで開かれた先進7カ国首脳会議(G7)において、テロ資金対策として仮想通貨の規制を含めた行動をとることが合意されており、政府は、これを受けて規制のあり方に関する検討をすでにスタートさせている。

 米国ではビットコインはすでに規制の対処となっており、ビットコインの取引所の中には銀行免許を取得したところもある。
 つまりビットコインは有望な金融システムになる可能性があると認識されており、既存の通貨と同様、当局の管理の下で健全に育成しようという考え方が基本となっている。英国やドイツなども同じ方向性であり、G7での合意もこうした状況が大前提である。

 一方、ロシアのように、ビットコインそのものを禁止している国もある。この場合の規制は、育成ではなく排除が目的となる。米国やドイツなど強固な金融システムを持つ国は、ビットコインはむしろ自国の発展に寄与するが、ロシアのように金融システムが脆弱な独裁国家では、ビットコインは政権やそれを取り巻く特権階級にとって脅威となる可能性があるからだ。

 日本は、ビットコインについて禁止はしないものの、金融商品であるとは認定しておらず、金融規制の対象外としてきた。このため、取引所の実態把握が難しく、場合によってはマネーロンダリングの対象にもなる状況が続いている。

 ビットコインの有望性を考えれば、育成を前提にした明確な規制方針を打ち出し、国内市場を育成する方がメリットが大きいのは確実だが、国内でそのようなコンセンサスが取れているとは限らない。

 今後、政府内で議論される「規制」が、ビットコインを排除するニュアンスの強いものとなれば、日本の金融市場の魅力はさらに薄れる可能性が高い。何のための規制なのか、本質的な議論が必要だろう。

 - 経済, IT・科学 ,

  関連記事

maxcrunch
外国製の安価な菓子類が徐々に日本市場に進出。これは成熟国家日本の宿命である

 長らくガラパゴス状態が続いてきた日本の菓子市場に風穴が開きつつある。100円均 …

sonmasayosi
ソフトバンクの孫社長がワシントンで講演し、買収の意義を強調。米当局は依然慎重姿勢

 ソフトバンクの孫正義社長は2014年3月11日、米ワシントンで講演し、米携帯電 …

kyosho201502
オバマ政権が打ち出した海外利益課税策。米企業の立地戦略はどうなる?

 オバマ政権が打ち出した企業の海外利益に対する課税策が米国内で議論となっている。 …

trumpusa
トランプ政権の経済閣僚が固まる。かつての対日貿易交渉がそのまま中国版にシフト?

 トランプ次期政権の経済チームの顔ぶれがほぼ固まった。対中強硬派の人物が多く、中 …

nucleayankey
コスト高から原発撤退が相次ぐ米国。簡単に原発からの撤退を決められるのはナゼ?

 米国で原子力発電からの撤退が相次いでいる。理由は安全性への懸念ではなくコスト。 …

kabuka
5兆円の損失を公表したGPIFがスマートベータ型運用にシフト。果たして儲かるのか?

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が保有する銘柄の公 …

satsutaba02
預金封鎖と財産税が密かな話題となっている背景とは?

 終戦直後に実施された預金封鎖と財産税がちょっとした話題になっている。NHKが夜 …

38north02
北朝鮮が寧辺の原子炉を再稼働?外交問題に加えて、安全上のリスクを指摘する声も

 北朝鮮が再稼働を表明していた寧辺(ヨンビョン)の原子炉について、外交上の問題に …

beikokuoil
原油価格の暴落で反米産油国が大打撃。地政学上のバランスは激変か?

 原油価格の下落が止まらない。背景には米国のシェールガス革命という供給要因があり …

businessman02
非正規社員の数が過去最多。このほかにも実質賃下げを示唆する出来事が増加中

 総務省は8月13日、4~6月期の労働力調査の結果を発表した。それによると、非正 …