ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

四半期決算好調も株価が冴えないソフトバンク。重しはやはり米国事業

 

 ソフトバンクの米国事業が同社の株価の重しとなっている。足元の業績は好調だが、本来であれば、買収した米国の通信大手スプリントの事業がさらに業績を押し上げていたはずであった。市場では米国からの撤退観測も出ているが、孫社長はこれを強く否定している。

softbankpepason
 同社が2015年8月6日に発表した2015年4~6月期決算は、売上高が前年同期比9.8%増の2兆1390億円、営業利益は7.6%増の3435億円だった。ブロードバンド通信サービスなど国内通信事業が好調だったことに加え、円安により買収した米スプリントの業績が拡大した。

 決算の数字はまずますだったが、同社の株価はこのところ冴えない展開が続いている。スプリント事業の改善が思ったよりスムーズに進んでいないからである。

 同社は2013年7月、216億ドル(当時のレートで約2兆2000億円)を投じて、米国第3位の携帯電話会社スプリントを買収した。同社は続いて、米国第4位のTモバイルUSの買収を目指していた。
 米国の携帯電話市場は大手4社がシェア争いを行っている状況だが、トップのAT&Tと2位のベライゾンはそれぞれ30%程度のシェアを持っている。スプリントとTモバイルUSは、単体では上位2社に対抗できないが、両者が合併すれば、状況は大きく変わってくる。ソフトバンクのスプリント買収は、2社合併を当初からシナリオに組み込んだものだった。

 だが、米司法当局の寡占化に対する警戒感は根強く、TモバイルUSの買収に対して最後まで慎重姿勢を崩さなかった。結局ソフトバンクはTモバイルUSの買収を断念せざるを得なかった。

 スプリント単体では業績拡大に限界があることに加えて、同社のリストラも想定通りには進んでいない。むしろTモバイルUSの方が低価格攻勢を強めており、6月末時点の契約件数ではスプリントはTモバイルに抜かれ、4位に転落してしまった。日本円ベースではスプリントは増収増益だが、ドルベースでは売上高は減少、利益は横ばいである。

 ソフトバンクの孫社長は、TモバイルUSの買収に失敗した時にはスプリント売却も考えたことを明らかにした上で、現在では売却の意思はまったくないと断言、市場でくすぶるスプリント売却論を一蹴した。契約者は純増に転じており、今後、2年程度の期間をメドにスプリントの経営を軌道に乗せるとしている。

 - 経済, IT・科学 , ,

  関連記事

MAC
マクドナルドが7年ぶり減益。だが原田マジック消滅との報道は過剰反応

 日本マクドナルドホールディングスは3月19日、株主総会を開催した。同社の201 …

frb
FRBが正式に量的緩和策の終了を決定。米国経済は新しい局面を迎えた

 FRB(連邦準備制度理事会)は2014年10月29日のFOMC(連邦公開市場委 …

baishuboueisaku
かつて導入された買収防衛策が次々と撤回。背景にあるのは株主のモノ言い

 かつて上場企業で導入が相次いだ買収防衛策について、撤回するケースが増えてきてい …

girishagikai
ギリシャが事実上、旧通貨発行と同じ効果を持つ約束手形の発行に追い込まれる?

 ドイツのショイブレ財務相は、欧州メディアのインタビュー記事において、ギリシャが …

androidTV
グーグルが着々と進める家電のネットワーク化と人工知能化

 ネット検索最大手の米グーグルが、家電の人工知能化を急ピッチで進めている。同社が …

trybol
スイスで経営者の高額報酬を制限する国民投票を実施。立役者の主張とは?

 企業幹部が受け取る高額報酬の制限をめぐってスイスで国民投票が実施される見込みと …

no image
鴻海精密工業のカリスマ経営者「郭台銘」氏はどんな人物?

 最近その名前をニュースで目にしない日はない、鴻海精密工業のカリスマ経営者、郭台 …

no image
インテルとクアルコムがシャープに出資?事実だとしてもインパクトは小さい

 出所不明の情報が跳梁跋扈するシャープ周辺からまた奇妙なニュースが飛び込んできた …

kokusaishushi201406
上期の経常収支が赤字に。経常赤字を前提にした体制の整備が必要

 財務省は2014年8月8日、2014年上半期の国際収支を発表した。最終的な国の …

rikenchousakekekka
STAP細胞疑惑の最終報告。やはり科学的真実は分からずじまい

 理化学研究所は2014年4月1日、新しい万能細胞である「STAP細胞」の論文問 …