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閉幕したASEAN外相会議。ようやく共同宣言がまとまったが中国批判は抑制的

 

 中国の南シナ海進出問題で注目を集めていた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議は2015年8月6日、会議から2日を経てようやく共同宣言の発表にこぎ着けた。南シナ海の埋め立てについて「深刻な懸念」という表現は入ったが、具体的な国名は入らず、ASEAN内部における足並みの乱れが浮き彫りになった。

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 中国は南シナ海において埋め立てを強行しており、フィリピンとベトナムはこれに強く反発している。両国は、共同宣言に中国を牽制する内容を盛り込むよう各国に求めるともに、米国に対しては中国を強く牽制することを望んでいる。

 米国は、中国の動きに警戒しつつも、中国とは戦略的な対話を進めている最中であり、どこまで踏み込んだ発言をするのかが注目されていた。米国のケリー国務長官は「米国は引き続き南シナ海への関与を続ける」と発言したものの、それ以上の発言はなかった。

 一方、中国との関係が深い、カンボジア、ラオス、ミャンマーは中国との対立を望んでおらず、共同宣言では柔らかい記述にするよう求めており、ASEAN内部での意見調整は困難を極めた。

 結局、初日の会議が終わってから2日が経過し、ようやく共同宣言がまとまった。宣言には「一部の国から深刻な懸念が寄せられた」という記述は入ったが、具体的な国名は入っていない。また、フィリピンやベトナムが求めていた、踏み込んだ表現は採用されなかった。

 中国は、親中国を中心にインフラ支援という懐柔策をちらつかせ、多数派工作を図っている。圧倒的な経済力の違いに加え、米国が表立って中国を批判できない状況にあることから、フィリピンやベトナムの発言力は相対的に低下してしまう。

 親中国を含め、多くの国が中国に対する警戒感を示しつつも、中国主導でアジアの秩序が構築されるという状況は、当分の間、継続することになるだろう。

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