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グーグルが持ち株会社制への移行を発表。新規事業はいよいよ収益化へ

 

 米グーグルは2015年8月10日、持ち株会社「Alphabet」を設立し、傘下に個別事業を再配置すると発表した。現在、同社の主力となっている検索・広告事業は、グーグル部門としてひとつの事業子会社となる。

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 新しい体制では、Alphabetの傘下に、これまで同社の主力事業だった検索・広告事業と並んで、自動車事業、住宅事業、医療関連事業などが並立する形となる。
 同社の創業者でCEO(最高経営責任者)のペイジ氏は引き続きAlphabetのCEOに就任し、同じく創業者のブリン氏は社長に、現会長のシュミット氏は会長に就任する。持ち株会社の経営体制は基本的に従来と変わらない。

 一方、主力事業を引き継ぐ事業子会社であるグーグルのトップには、ピチャイ上級副社長が就任する。ピチャイ氏は、グーグルのブラウザ(クローム)や基本ソフト(アンドロイド)の責任者を務めた人物であり、同社の事業内容を熟知している。
 既存事業はピチャイ氏に権限移譲し、創業者であるペイジ氏とブリン氏は、新規事業により多くの時間を費やすことになる。
 現在上場しているグーグル株は上場廃止となるが、そのままAlphabet株に移行することができる。また証券コードも従来のまま変更はないという。
 
 持ち株会社に移行するのは、自動運転や医療など、同社が手がけてきた新規事業が本格的に立ち上がる時期を迎えており、事業の多角化が一気に進む可能性が高くなってきたからである。

 検索・広告事業は、今のところ順調に伸びているが、スマホの普及はほぼ一段落しており、これまでと同じペースの売上げ拡大は見込めない状況にある。自動運転車など、ネットへの接続環境が根本的に変化するような状況がなければ、近い将来、同社の成長は鈍化してしまう可能性が高い。
 現経営陣が、従来からの主力事業である検索・広告に多くの時間を割いていると、その他の事業を十分にコントールすることができない。検索・広告事業はピチャイ氏に任せ、新規事業ができるだけ早く立ち上がるよう、創業者が責任を持って対応する姿勢をアピールしたものと思われる。

 決算発表については、グーグル事業とその他の事業を分けて開示することになるので、従来と同様に、主力事業の状況はチェックすることが可能だ。
 また、これまでほとんど情報を開示してこなかった新規事業が開示対象になるとの期待から、投資家は今回の機構改革を好意的に評価している。機構改革の発表後、時間外の取引で同社株は6%以上上昇した。

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