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中国が事実上の通貨切り下げ。米国以外はすべて大規模緩和状態へ

 

 中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は、対ドル為替レートの「基準値」の算出方法を変更し、事実上の通貨切り下げを行った。人民元は4年ぶりの安値水準に急落した。

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 中国政府は、人民元の為替相場を一定の範囲内でコントロールする「管理変動相場制」を導入しており、人民元の変動幅は人民銀行が毎日公表する基準値から上下2%以内に制限されている。
 人民銀行は2015年8月11日、基準値を前日から約2%、翌12日はさらに1.6%引き下げた。このため上海外国為替市場では、人民元が1ドル=6.2097元から、1ドル=6.43元まで急落している。
 これによってドル円相場も一時125円台となり、ニューヨーク株式市場は大幅な下落となった。日本の株式市場も影響を受け、11日の日経平均株価は100円以上、12日の日経平均株価は300円以上の下げとなっている。

 中国が事実上の人民元切り下げを行ったのは、中国の景気失速が予想を超えるペースで進んでおり、通貨切り下げによって輸出を増大させる必要があると判断したからである。
 中国の7月の貿易統計(ドルベース)は輸出が前年同月比マイナス8.3%、輸入がマイナス8.1%と大きく減少した。3月にもマイナス15%という大幅な下落を記録しており、輸出の鈍化が著しい。

 ただ、米国の利上げが目前に迫っている中での突然の通貨切り下げは市場に大きなインパクトを与えてしまっている。中国経済の悪化が想定の範囲を超えているのではないかとの懸念が増大しており、新興国市場への波及も考えられる。

 今のところ人民元の切り下げで、米国の利上げタイミングが変わると見る市場関係者は少ない。米国経済は、内需主導型で輸出入の影響をあまり受けない体質になっていることがその理由である。
 ただ、今回の決定によって米国以外の国はすべて、事実上、大規模緩和を実施している状態となった。逆に言えば、中国としては米国の利上げが間近に迫っていることから、今しか切り下げを実施するタイミングがなかったともいえる。

 米国市場への影響はおそらく限定的だが、アジア諸国や日本への影響はかなり大きいと考えられる。しばらくは市場が荒れる展開が続く可能性が高いだろう。

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