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貿易赤字は4カ月連続だが、赤字幅は縮小均衡。しばらくこの状態が続く?

 

 財務省は2015年8月17日、7月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2681億円の赤字となった。赤字となるのは4カ月連続。中国向け輸出が伸び悩んだが、原油価格の下落で輸入額も減少しており、赤字額は前年同月と比較すると大幅に少なくなっている。

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 輸出額は6兆6638億円と前年同月比で7.6%増加した。米国向けの自動車が好調だったほか、今月は船舶の輸出が大きかった。輸入額は6兆9318億円と前年同月比で3.2%の減少となっている。原油価格の下落によって関連製品の輸入金額が減ったことが主な要因。

 ただ数量ベースでは、輸出、輸入ともに減少となっている。特に中国向けの輸出が冴えず、数量ベースでは前年割れの状態が続いている。

 日本は2011年以降、貿易赤字体質が定着している。一時は、赤字の規模が毎月1兆円に達していたが、円安が進み、見かけ上、輸出が回復したことで赤字の額は縮小しつつある。ただ、輸出の数量が増えていないことや、中国の景気低迷などを考えると、輸出主導による黒字化には至らない可能性が高い。

 一方で、原油価格の下落は長期化するとの見方が強まっており、こちらは輸入金額の減少につながる。国内消費が拡大すれば、中国やアジアからの輸入が増え、原油安の影響を相殺するが、4~6月期のGDPは消費の低迷によってマイナス成長であった。家計の実質賃金は減少しており、消費が短期間で盛り返すことはないだろう。

 しばらくの間、低迷する輸出と安い原油、さらに消費の停滞が重なり、小規模な貿易赤字が継続する可能性が高くなってきた。

 そうなってくると、貿易赤字に大きな影響を与えるのは為替ということになるが、為替市場も膠着状態が続いており、今のところ大きな動きがない。
 米国が利上げに踏み切ってもそのペースは穏やかなものになることは確実である。日銀が追加緩和に踏み切れば、為替が再び動き出すことになるが、追加緩和の実施についても、市場の予想は半々であり、しばらくは緩和がない可能性もある。

 現在の貿易収支は一種の縮小均衡というわけだが、この状況は意外と長く続くことになるかもしれない。

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