ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

東芝が決算発表を再度延期。第三者委員会も機能していないことが露呈

 

 不正会計が問題となっている東芝は2015年8月31日、同日に行う予定だった2015年3月期決算の発表を再度延期した。あらたに10件程度の会計処理に問題が見つかったためだが、上場企業が2度も決算を延期するのは異例。決算書は9月7日までに提出するとしている。

 toshiba03

 東芝は不正会計の発覚を受けて、通常であれば5月上旬に実施する決算発表を延期し、有価証券報告書の提出も遅らせていた。だが期限の31日夕方になって、突然、再度の延期を発表。有価証券報告書の提出についても関東財務局に1週間の再延長を申請した。室町会長兼社長は今月7日に決算を発表できない場合、責任を取って辞任する意向を示している。

 これまでの調査で、過去7年間の税引き前利益について2130億円の下方修正が必要であることが明らかとなっているが、7日に提出する決算書は「すでに発表した決算の内容と大きなずれはない」と説明している。
 ただ、今回、再延期の原因となった会計処理は、従業員の内部通報や監査法人の監査で分かったものである。特別調査委員会や社外の専門家でつくる第三者委員会はこれを見落としていたことになり、今後、さらに不正会計事案が表面化する可能性を否定できなくなった。つまり、今のままでは同社決算の正確性はほとんど担保されない状態にあるといってよい。

 これは東芝単体の問題ではあるが、決算書を期限まで提出できない企業が上場を維持し、経営者の刑事責任が問われていないという状況は、日本の株式市場全体の信頼性を著しく損ねている。

 安倍政権はコーポレートガバナンス改革を掲げ、企業に対してガバナンス体制の強化を要請している最中である。このような時に、ガバナンスがまったく機能していないことを内外に示してしまった。
 海外の機関投資家の中には、日本企業の不透明性を嫌い、積極的な投資を見送ってきたところが少なくない。ようやくそのような雰囲気が薄まりつつあったが、東芝問題の発覚で、こうしたイメージはすべて吹き飛んでしまったといってよいだろう。

 もしこのまま東芝問題を放置した場合、日本の企業活動への影響はかなり大きなものとなるだろう。こうした変化は短期的には目に見えず、ボディーブローのように効いてくるだけに、問題はさらにやっかいである。

 - 経済 ,

  関連記事

sharp
シャープが年度内の中期経営計画策定を断念。ホンハイとの提携は完全に流れたか?

 経営再建中のシャープが、中期経営計画の策定を先延ばしにすることが朝日新聞の報道 …

jitensha
自転車の輸入業者に1億8900万円の賠償判決。そこからある光景を邪推すると?

 自転車の欠陥が原因で転倒し重傷を負ったとして、茨城県の男性らが自転車の輸入業者 …

volcker
FRBの量的緩和縮小はいつか?インフレ退治の鬼ボルカー元議長は早期縮小を主張

 FRB(連邦準備制度理事会)の出口戦略をめぐって米国市場が困惑している。遠くな …

apple
アップルの4~6月期決算。中国向けiPhoneが引き続き堅調であることを確認

 米アップルは2014年7月22日、2014年4~6月期の決算を発表した。売上高 …

eads
欧州の防衛大手EADSが大リストラ。防衛産業もIT化の流れには逆らえない

 エアバス社の親会社で、欧州の航空宇宙最大手のEADSは2013年12月9日、宇 …

no image
中国向けの輸出が失速し北米と再逆転。だが事態はもっと深刻である!

 日本の輸出先としての中国の存在感が低下している。  財務省が発表した2012年 …

alipay
中国のメジャー決済サービスが来年上陸。日本人向けにサービスを展開

 中国のネット通販大手「アリババ」が、決済サービス「アリペイ」を日本国内で展開す …

maxcrunch
外国製の安価な菓子類が徐々に日本市場に進出。これは成熟国家日本の宿命である

 長らくガラパゴス状態が続いてきた日本の菓子市場に風穴が開きつつある。100円均 …

setsubitousi
設備投資の先行指標にちょっとした異変。設備投資復活か単なるブレか?

 アベノミクスにおける最大の懸念材料の一つであった企業の設備投資に変化の兆候が見 …

keizaihakusho2015
経済財政白書が指摘する、日本の労働生産性とイノベーションの問題

 政府は2015年8月14日、2015年度の経済財政報告(経済財政白書)をまとめ …