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4~6月期における企業の利益は大幅増。今後は円高とエネルギー価格の綱引きに

 

 財務省は2014年9月1日、4~6月期の法人企業統計を発表した。全産業(金融・保険除く)の経常利益は前年同期比23.8%増の20兆2881億円となり、過去最高となった。原油安で企業のコストが低下している可能性が高い。

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 法人企業統計は四半期ごとに企業の売上高や利益、設備投資などを調査しているもので、設備投資の結果はGDP(国内総生産)の改定値に反映される。
 企業の利益は大幅増となったが、売上高はそれほど伸びていない。4~6月期の売上高は前年同期比でわずか1.1%増である。1~3月期の売上高に至っては前年同期比でマイナスであった。

 昨年末に進んだ円安が一段落したことから、企業の売上高は伸び悩みつつある。それにもかかわらず業績が大幅増となったのは、おそらく原油安の影響である。エネルギーを直接消費する企業はもちろん、一部の原材料費は価格が低下しており、企業のコスト構造が改善した可能性が高い。

 原油安は日本経済にとって基本的にプラスだが、7~9月期以降も好業績が続くのかは分からない。中国株ショックによって円高が進んでおり、企業業績が悪化し、原油安の効果を相殺する可能性があるからだ。

 4~6月期の設備投資は9兆385億円で、前年同期比5.6%増となった。だが前期の7.3%に比べると増加幅が縮小している。GDP改定値に反映されるソフトウェアを除く季節調整済みの数字では2.7%減と4四半期ぶりのマイナスとなっており、設備投資が回復していないことを印象付けた。

 また在庫も若干の増加となっている。仕掛品は減少したが、原材料が増えた。GDPの改定値ではプラスに作用するかもしれないが、在庫の増加は企業が販売を抑制した結果である可能性が高く、ポジティブな情報とはいえない。

 円安が一段落する中、原油安によって業績拡大を維持している構図だが、現在の円高が続いた場合、企業の業績見通しは下方修正される可能性がある。原油価格が再度上昇するようなことになれば、年度後半における日本企業の業績は、以前に予想されたほどではないかもしれない。

 設備投資の回復が内需を拡大させるというアベノミクスの当初のシナリオは描けておらず、依然として為替とエネルギー価格に大きく依存する状況が続く。

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