ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

設備投資の先行指標である機械受注が大幅減。7~9月期のGDPは大丈夫か?

 

 内閣府は2015年9月10日、7月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)は前月比3.6%減と予想外の大幅減になった。7.9%減だった6月から2カ月連続のマイナスであり、企業の設備投資が急激に冷え込んでいる可能性が指摘されている。7~9月期のGDP(国内総生産)にも大きく影響しそうだ。

kikaiinsatu

 機械受注は機械メーカーが受注した金額を元に算出する。民間設備投資の先行指標といわれており、GDPにおける設備投資の基礎データにもなっている。

 7月の受注額は、前月比3.6%減の8056億円。このうち、製造業は同5.3%減の3594億円、非製造業は同6.0%減の4494億円だった。このところ製造業からの受注が数字を引っ張っていたが、6月には大幅なマイナスとなった。7月は反動による上昇が期待されたが、結果は連続のマイナスで、非製造業も落ち込んでしまった。

 7~9月期の見通しは0.3%増とほぼ横ばいとなっている。来月以降も数字が振るわない場合には、四半期でもマイナスに転じる可能性がある。機械受注の増減とGDPにおける設備投資はおおむね一致しているので、7~9月期のGDPにも悪影響を与えることになるだろう。

 このところ日本経済はトリプルパンチの状態にある。これまで景気を引っ張ってきた公共事業は一段落した状態にあり、円安を背景に外需に頼る状況が続いていたが、中国ショックの影響でその輸出にもブレーキがかかっている。
 タイミングが悪いことに、このところ家計が財布の紐を締め始めている。円安に耐えきれず事業者の多くが4月に一斉値上げに踏み切っており、生活必需品を中心に物価が上昇しているからである。

 6月の実質賃金は前年同月比で3.0%減となり、7月(速報値)も0.3%という低い伸びにとどまっている。一方、7月における1世帯当たりの消費支出は前年同月比で0.2%減と2カ月連続でマイナスとなった。
 名目上の賃金は上昇しているが、物価の上昇で実質賃金は減少しており、これが消費を手控える動きにつながっている。4~6月期のGDPはマイナス成長だったが、全体の6割を占める個人消費が前期比0.8%減だったのが響いた。

 こうした状況を受け、与党内では、大型の補正予算を求める声が高まっている。だが、再び公共事業依存型の経済となった場合、アベノミクスはスタート地点に逆戻りしてしまうことになる。

 - 経済 , , ,

  関連記事

no image
経済界の言い分に騙されるな!中国ビジネスは尖閣より前に大失速している

 領有権問題の長期化を懸念する声が経済界を中心に高まっている。 経団連の米倉会長 …

aribabachugoku
粗悪品の出品をめぐり中国当局とアリババが対立。やはりチャイナ・リスクは存在

 中国の電子商取引最大手アリババ・グループは2015年1月29日、2014年10 …

toshiba03
東芝の不正会計問題。自己資本並みに大きい「のれん代」は大丈夫なのか?

 不正な会計処理が問題となっている東芝は2015年7月21日、田中久雄前社長、佐 …

apple2016q2
iPhone初の販売台数減少でアップルは減収減益。だが市場の注目はすでに次のフェーズに

 これまで快進撃を続けてきたアップルがとうとう減収減益の決算を発表した。ただ、中 …

setsubitousi
企業の現金保有がさらに増加。融資は伸びておらず、企業は自己資金をフル活用

 日本企業の現金保有残高がさらに増加している。基本的には企業の利益率向上が主な要 …

nihonkeizai02
4~6月期のGDPは予想外に個人消費が健闘。持続的な拡大局面に入れるのか?

 内閣府は2017年8月14日、2017年4~6月期のGDP(国内総生産)速報値 …

hondasayama
自動車の国内市場に異変。ホンダは主力工場閉鎖、トヨタは販売戦略を見直し

 自動車メーカーの国内生産や国内販売に異変が起きている。ホンダは主力工場の閉鎖を …

bukkajoushou
8月の消費者物価指数。コアはマイナス、コアコアはプラスとちぐはぐな状況に

 総務省は2015年9月25日、8月の消費者物価指数を発表した。代表的な指標であ …

setubitousi
1~3月期のGDP改定値は設備投資の増加で上方修正。今後のカギは為替

 内閣府は2015年6月8日、2015年1~3月期のGDP(国内総生産)改定値を …

bbcclass
英国で新しい「階級」区分が話題に。だがその内容は少々脱力系

 現代でも階級制度が色濃く残る英国において、新しい「階級」区分がちょっとした話題 …