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マイナンバーカードとセットの軽減税率案に批判集中。果たして実現できるのか?

 

 財務省が2015年9月8日に提示した消費税の軽減税率の導入案が波紋を呼んでいる。一旦は10%の消費税を徴収し、後で還付を受ける方式であることに加えて、マイナンバーカードとセットになっていることがその原因。実際の導入には紆余曲折がありそうだ。

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 軽減税率の導入は低所得者対策として公明党が強く主張し、与党合意として選挙公約に掲げていたものである。ただ、当初は欧州で導入されているような、買い物の際に軽減税率分が差し引かれる方式をイメージしていた人が多かったことから、財務省案には批判が集中している。

 特に問題視されているのが、一旦は消費税の全額が徴収されてしまう点と、マイナンバーカードの利用が必須であるという点。
 財務省案では、買い物の際には、マイナンバーカードを提示しすべての買い物をカードに記録する必要がある。後日、軽減税率対象分の品目については、税金が還付される仕組みである。還付される金額には上限が設定される見込みとなっており、今のところ4000円という数字が浮上している。

 後日、還付されるとはいえ、一旦は10%全額が徴収されてしまうため、消費者の心理面での負担感は大きい。また軽減税率分が全額還付されるわけではなく、上限が設定されるので、これも消費者からすると、あまりお得感がない。

 また、マイナンバーカードにすべての買い物の記録を残すことに抵抗を感じる人は一定数存在するだろう。還付に上限があることを考え合わせると、高額所得者はこの制度を利用しない可能性が高い。低所得者対策という趣旨には合っているのだが、背後に還付金を最小限にしようという意図があるのは明らかだ。

 マイナンバーカードについてもいろいろと問題がある。欧州で実施されているような、利用者に負担の少ない軽減税率制度を導入できないのは、事業者の事務負担が増えるとして反対の声が大きいからである。
 日本は欧米各国に比べてパソコンの普及率がかなり低く、零細店舗などでは、品目ごとに異なる税率を設定することが難しいという現実がある。たが、システムでの対応が難しいということになると、マイナンバーカードの読み取り機を全店に普及させることもそれなりに困難が伴うと予想される。
 またマイナンバーカードに関連したシステム整備には高額な費用がかかり、これも財政を圧迫する要因になってしまう。

 仮に財務省案が導入されるにしても、中途半端な形になってしまう可能性が高く、本来の趣旨とはかなり異なったものになる可能性が高い。

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