ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

FRBが利上げを見送り。今後の焦点は労働市場ではなくインフレ率

 

 FRB(連邦準備制度理事会)は2015年9月17日に開催したFOMC(連邦公開市場委員会)において、利上げを見送ることを決定した。中国の景気失速など、世界経済の状況が米国経済にも波及するリスクを考慮した。利上げに時期に関する明確な言及はなく、市場の不透明感は続きそうだ。

frb

 イエレン議長はこれまで何度も年内に利上げを実施する方針であることを明らかにしている。今年前半までは9月に利上げという見通しが圧倒的だったが、中国株ショックなどで世界の金融市場が大荒れとなったことから、利上げが後ろにズレ込むとの見方も出ていた。

 声明文には「世界経済の状況が(米国の)経済活動を制限し、インフレの下押し圧力となっている」との一文が盛り込まれ、中国の景気失速と市場の混乱が米国経済にも影響を与える可能性を示唆した。

 今年は10月と12月にFOMCが開催されるが、10月のFOMCは記者会見が予定されていない。年内利上げの方針を変更するという発言はなかったことから、市場では12月に利上げを実施するとの予想が大半を占めている。ただ、イエレン議長は10月に利上げを実施した場合には記者会見を実施するとも述べており、10月利上げに対しても含みを残した格好だ。10月利上げの可能性がゼロになったわけではない。

 FMOCメンバーのうち、13人は年内利上げを予想しており、3名は2016年、1名は2017年を予想している。前回は2017年を予想したメンバーはいなかったので、FOMCの見通しは若干、弱気になったといえる。
 ただ少々、驚きだったのは、今回初めて、マイナス金利を予想するメンバーが1名登場したことである。この件についてイエレン議長は「議論していない」と述べており、マイナス金利の導入については検討対象となっていないことを強調した。

 イエレン議長はこれまで雇用情勢をもっとも重視してきたが、失業率は5.1%とほぼ完全雇用に近い水準まで回復し、労働市場という点では当初の目標をほぼ達成した。今回のFOMCでは、結果的にインフレ率にもっとも焦点が当たる形となった。

 2015年におけるインフレ率(コア指数)見通しは6月時点の1.3%から1.4%に引き上げたものの、17年、18年の見通しは逆に下方修正された。10月までにインフレ率が急速に改善するということは考えにくく、やはり12月に利上げというのが、今のところは、もっとも自然な予測ということになるだろう。

 - 経済 ,

  関連記事

iphone6s
グーグルに対する挑戦状?新型iPhone広告ブロック機能の影響度

 米アップルは2015年9月9日、iPhoneの新製品を発表する。詳細は明らかに …

kyuryo
経団連がベア容認に方向転換。安倍政権との関係改善を優先か?

 大企業を中心にベースアップを容認する動きが顕著になってきた。基本的には安倍政権 …

tissue
円安で値上げが続々。だが実際にはデフレ下でも値上げは進んでいた

 急激に進んだ円安を背景に、製品やサービスの値上げが相次いでいる。製紙大手各社が …

ibmwatson
人工知能の事業化が本格的にスタート。日本がこの分野で不利である最大の理由

 人工知能の事業化が急ピッチで進みそうな状況になってきた。米IBMは2014年1 …

jinmingen
IMFが特別引出権(SDR)に人民元を採用。英国の全面支援が決め手?

 IMF(国際通貨基金)は、11月にも特別引き出し権(SDR)と呼ばれる準備通貨 …

lawsonmitsubishi
資源価格下落で巨額赤字を抱える三菱商事がローソンを子会社化する事情

 三菱商事は2016年9月16日、コンビニ大手のローソンを子会社化すると発表した …

hitachiturbin
三菱重工と日立が火力発電事業を統合。だが肝心の技術でトラブルが続き前途多難

 三菱重工業と日立製作所は6月11日、火力発電事業の事業統合に関する基本契約書を …

virginatlantic
シティバンクに続いてヴァージン航空も日本撤退。その背景にあるもの

 英国のヴァージンアトランティック航空は2014年9月3日、成田-ロンドン線につ …

tokyoelec
東京エレクトロンと米アプライドの「対等」な合併という真の意味は?

 半導体製造装置国内トップの東京エレクトロンと、世界シェアトップの米アプライドマ …

greekyogur
EUなんて幻想?ギリシャの有力企業が相次いで本社を国外に移転し、空洞化が加速

 経済危機が続くギリシャで有力企業の本社を国外に移す動きが出てきている。10月に …